45期 南房総研修

渋幕生としての初めての研修となった野田研修から5か月が経ち、今回は初めての宿泊行事を迎えました。生徒たちは野田研修のときよりも同級生どうしでのつながりがさらに強くなってきましたが、親しき仲にもマナーあり。皆が楽しく、健康第一で安全に3日間を過ごせるよう、集団行動におけるルールを自分たちで考え、それを守る大切さを学びました。

生憎の雨天での研修となりましたが、千葉の文化や歴史、自然に触れることのできた充実の3日間となりました。

 

事前準備

1学期に南房総研修に向けた準備がキックオフされ、夏休みに研修で訪れる予定の施設をレポートにまとめ、2学期では研修委員を中心として生活ルールについて話し合いを重ねました。また、野田研修のときと同様に、集合場所に決められた時間に集まることができるよう、家を出発する時間や電車の乗り方を「現地集合・解散シート」にまとめました。

研修の目標の1つは、自分自身で準備を進められるようにするという「自立」です。他の人に整えてもらったプランにただ乗るのではなく、研修を意義深いものとするためにどのような準備が必要であるか、皆が楽しく過ごすためにはどのような生活ルールを守っていくべきかを自分たちで何度も考えてきました。この経験が研修だけでなく、日頃の生活にも生かされることを期待しています。

 

結団式

いよいよ南房総研修を翌日に控え、皆で意義深い研修とすることができるように、学年全員で集まって最後の確認です。これまで多くの準備を進め、いよいよ目前に迫ってきた研修に、生徒たちは楽しみと緊張が入り混じった様子で結団式にのぞみました。

まず中3の先輩方と合同で結団式を行い、有意義な研修を行う決意を高めました。校長先生から、本校の研修の伝統や意義についてのお話をいただきました。続いて中1のみでの学年集会が行われ、学年主任、研修担当の先生から研修に際しての心構えについてのお話がありました。生徒は自分たちで創り上げる宿泊研修という自覚と責任を改めて感じ、明日から始まる研修への期待を高めることができたようです。

結団式の様子
(結団式の様子)
 

 

1日目

いよいよ当日を迎え、事前に作成した「現地集合・解散シート」を元に、君津駅に集合しました。君津駅からバスに乗り、浜金谷で昼食をとった後、最初のアクティビティとなる鋸山の登山に挑みました。残念ながら雨天となってしまい、安全への配慮から鋸山の登山を行うことはかないませんでしたが、雨に打たれる大仏様もまた趣きがありました。

大仏広場から長い長い登り道を経て地獄のぞきに行くことができました。生徒たちはヘトヘトになりながらこの道のりに歩みを進め、何とか地獄のぞきへと向かいます。たどりついた地獄のぞきからの眺めは、雨も相まって、息をのむような雄大な景色で、千葉の自然を肌で感じることができました。自然の神秘に浸ることのできた忘れられない体験となったことでしょう。

その後、研修中に宿泊でお世話になる鴨川グランドホテルに到着しました。夜は鴨川シーワールドのナイトツアーに参加のクラスとホテルの大広間でレクを行うクラスに分かれ、それぞれ楽しいひと時を過ごすことができました。(1日目と交換で、2日目にナイトツアーやレクを実施したクラスもありました。)

(行きのバスの様子)

(地獄のぞきにて)

(ナイトレクの様子)

 

2日目

2日目は、事前に自分たちで決めたコースに分かれて、千葉の伝統や歴史、技術に触れる体験をすることができました。

沖ノ島を散策したコースでは、房州うちわの製作に挑戦し、南房総の伝統工芸を体験することができました。須藤牧場コースでは、牛の乳搾りを体験し、農家の方から日本の酪農が瀕している危機や次の世代が引き継いでいくことの必要性についてお話を聞くことができました。大山千枚田のコースは、雨天という好天に恵まれ、棚田の豊かな自然の恵みに触れることができました。JAXAでは、みうら折りの体験を行い、宇宙開発に関する展示にも触れ、日本の最先端の宇宙開発技術を知ることができました。清澄寺コースでは、瞑想と写経で心を静め、自分と向きあう貴重な体験ができました。

地引網後釣りを行う予定だったコースは、雨天のために鴨川シーワールドの見学、鉄道コースは先日のいすみ鉄道の脱線事故による臨機応変なルートの変更などと、当日の臨機応変な対応を余儀なくされたコースもありましたが、生徒はそれに臆することなく、無事に意義深い体験をすることができました。

 

(地引網の様子)

(清澄寺にて瞑想・写経体験の様子)

 

3日目

楽しい時が経つのはあっという間で、ついに研修も最終日を迎えてしまいました。宿泊した部屋をきれいに整え、各部屋の整美係や教員のチェックを受けて、ホテルを出発しました。

研修最後のアクティビティは、マザー牧場での飯盒炊爨です。事前に決めた調理班に分かれて、カレーを作ります。ガスではなく薪での火起こしに苦戦している生徒もいましたが、皆で協力して安全第一にカレー作りをすることができました。料理を作ってくださるご家庭の方へ、日頃の感謝の気持ちを持つことができたようです。

カレー作りのあとは、お楽しみのソフトクリームです。お土産も買って、名残惜しい様子でバスに乗り込み、学校で解散しました。

 

(カレー作りの様子)

 

事後学習

現地での学習を元に振り返りを行うところまでが研修です。事前に検討してきた生活ルールをしっかり守って過ごすことができたか、現地集合は計画通りに行うことができたか、夏休みのレポートで調べたことは現地でどのように調査できたかを振り返ります。また、現地でとった写真を題材に俳句を詠み、飲料メーカーのキャンペーンへの応募を検討しています。

 

3日間、大きな事故なく過ごせたことは、事前の入念な準備の大きな成果であると感じます。今回の研修では、生活ルールについて、適切に皆が有意義に研修を過ごすためにはどのようにしていくべきか、長い期間を設けて研修委員を中心に、皆で「自調自考」を重ねてきました。この経験から、本校の教育目標の1つである「高い倫理感」を備えた人へと成長してくれることを切に願っています。