えんじゅ:262号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCCLIII)


幕張中学・高等学校校長

田 村 哲 夫

 

   平成二十五年六月。水無月。
     梅雨が終わり、日照りになることから名付けられた。七十二候では、今は芒種。末候。梅子黄なり。芒種とは、稲や麦など穂の出る 植物の種を蒔くころのこと。稲の穂先にある針のような突起を、芒という。
   梅雨の月があって   白い花   
   種田山頭火  
   梅雨入りのことを、栗花落とも云う。この時節、花としては紫陽花の花色変化がまことに美しいが、しとしとと降る雨のなか、栗の花が咲き散る時でもある。  
   この梅雨入り直前の快適な時期を「五月尽」と云うが、この時に渋幕中高校は槐祭スポーツの部フェスティバルを行う。そして中学の研修授業=野田・鎌倉=も終え、新装なった三十周年メモリアルタワーを活躍の舞台に加えて、一学期の活動を続けていく。
   ところで、先般読売新聞紙上、本学園の活動が報じられ話題となった。内容は、グローバル化のなかでの日本の初等中等教育に求められる教育活動を紹介するもので、小学校における英語教育と続けて渋谷教育学園の中学・高校二校から直接米国の大学に進学している(今年度は十名、その内二名は東大にも合格している)という内容のものであった。
   グローバル化のなかで中高校生も進路の視野を国内のみでなく、世界に向けて広げてほしい(同時に国内の大学も世界を意識して改革してほしい)といった趣旨のものである。  
   人の発達という観点からみると、生徒達にとって中学・高校時代は人生最大の変化を遂げる時に当たる。その変化は一人一人の人生にとって決定的とも云える巨大な変化である。
   身体と心が不連続的と云って良いほどの膨大な変化を遂げ、自らのアイデンティティを社会とのつながりのなかで朧げながら確信していく時期と重なる。
   人類社会のこれからの姿は、グローバル化であることは、欧州におけるEUの動き(昨年ノーベル賞受賞)をみれば、いろいろ困難は発生するだろうが間違いないものであろう。
   そこでグローバルな人類の動きとしてのあるテーマを取り上げ、現代の若者達の強い閉塞感を打ち破ることになることを願って紹介する。  
   テーマは「脳」の全容解明である。
   欧州ではEUを中心に「ヒューマンブレインプロジェクト」が発足(昨年)、脳の情報処理の仕組みを解明しITの革新を狙っている。米国ではオバマ大統領の発案として、九十年代の人類の遺伝子解読計画に匹敵する脳の大型研究計画「ブレインアクティビティ マップ」が今年からスタートした。そして世界のもう一つの極として日本では、今年から「ビッグデータ」の解析手法、人工知能などの開発を目指し、理化学研究所などが参加して人類にとって・最大の謎・となって残っている脳の解明に挑もうとしている。
   日本では、新薬の開発、認知症のアルツハイマー病、パーキンソン氏病など他の動物にはみられない神経疾患の治療に役立てること計画している。世界それぞれで 数千億円単位の予算が組まれるという。  
   自調自考生諸君、グローバルな夢の実現を目指すのはどうだ。

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平成25年(2013)6月22日改訂