二〇〇八年弥生
三月、渋谷幕張中
学高校から23期生
が見事な実績を残
して卒業し、卯月
四月、「自調自考」
の旗幟の下に、新
しい 「自調自考」
生を迎え、26回目
の入学式が挙行さ
れる。
花王と云われ、
国花とされる春の
桜の季節と重なり、
四月は野外の農作
業がはじまり、野山の新緑が美し
くなるまことに「入学式」ふさわ
しい時。
平安中期、源氏物語の紫式部と
同時期に活躍した女性清少納言の
随筆「枕草子」に「桜は、花びら
大きに、葉の色濃きが、枝細くて
咲きたる」とあるように古来より
日本人は桜を賞美していたことが
うかゞえる。
そして、今年は「源氏物語一千
年」でもある。世界最古の長編物
語「源氏」が初めて記録されたのは、
寛弘五年(一〇〇八)十一月一日、
藤原道長邸での敦成親王(後の後
一条天皇)誕生の五十日目の視の
日であった。紫式部日記によれば、
この日の宴席で「源氏物語」が公
卿達の話題になったことが記録さ
れている。
「一千年」とされた今年は、日
本人だけでなく、世界中からの研
究者による「源氏物語」 の解釈
研究も多く発表され、内外からの
言説、異分野との交流による新し
い地平が開かれていく年にもなり
そうである。(例えば「A Waka
Anthology」エドウィン・A・ク
ランストン・ハーバード大教授著
は源氏物語の和歌七百九十五首の
翻訳と解説をしている。今年度山
片幡桃賞受賞)
世界と云えば、今年は、主要国
首脳会議(G8サミット) の議長
国として日本は北海道・洞爺湖サ
ミットで「地球温暖化問題に取り
組むことになっている。
教育の分野では、国連主導で今
年は、「ESD・持続可能な開発教
育=Sustainable Development=の
十年計画」の二年目を迎えている。
ユネスコを中心とした国連のE
SD運動は、環境問題にとゞまら
ず、平和、人権、文化遺産、ジェ
ンダー、国際理解等々の問題を包
合するが、特に環境問題はク地球
温暖化対策″として喫緊の問題に
なっている。
この点については、現世代に生
きる人間として、次の世代にどの
ような世界(自然条件、社会条件
等全ての人間をとりかこむ生きる
為の条件) を引き継ごうと考え
ているかゞ問われる「倫理」=
Ethics=の問題として考えるべき
であろう。
環境で云えば、地球という巨大
なシステムの複雑な未来を、現代
の人間が利用可能な全ての科学技
術と賢明な思索を活動させて予測
した上で、国々や社会経済又は個
人の利害調整や妥協の上で、「共通
だが差異のある責任」という原則
を認めること以外に解決方法はな
い。グローバリズムは、人にとっ
て全く異なった価値観、文化宗教
の直接的な激突を生み、話し合い
コミュニケーションによる厳しい
個々人の生活に影響する妥協を求
める。
今年の世界につきつけられた課
題を「自調自考生」どう考える。
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