二月、如月。立
春。東風解凍。「光
の春」と云われる
時、渋谷幕張中学・
高校は次世代を担
う「自調自考生」
を迎える。
そして三月。
弥生。「お水取り」。
春分。日平均気温
が五度以上となる
「植物期間」を迎
え、芽生えと共に
自調自考の二十四
期生を送り出す
冬菩薇の長き愁眉を開きけり
有馬 朗人
卒業生諸君の前途を寿ぐかの
ように、薔薇の新春の薫りが薇
郁とたゞよっている。
ところで、今年は「国際宇宙年」
とされる。イタリアのガリレオが
四百年前、三十倍の望遠鏡を作っ
て宇宙を覗き、天体は月を含め
全て完全な球形で重さもなく、
地球のまわりを永遠に回り続け
ていると信じられていたのを完全
に否定する事実を発見したこと
を記念した年である。その後残
されたガリレオの書物−偽金鑑
識官、天文対話 新科学対話等−
には「すべては疑うことから始
まった。」「最も巨大な書物(宇宙)
は数学の言語で書かれている。」
と述べ、ガリレオの考えが現代に
至る迄の科学的思考の源である
ことが明らかになっている。晩年
盲目となったガリレオが永眠した
のは、一六四二年一月。その年に
イギリスにアイザック二ニート
ンが生まれ、ガリレオの業績は彼
に引き継がれることになる。(万
有引力、微積分等)
そして四百年、現代、地球社会
における人類の科学技術の発展
は、十七年前の地球サミットを機
に双子の条約と云われる「温暖化
防止の国連気候変動条約」と「自
然生態系の存続を目指す生物多
様性条約」を生み出している。
前者については、昨年の北海道
サミットでの中心テーマとなる等
今や国際政治の花形となっている
が、後者についても実に重要な内
容を有し、両者は表裏一体のもの
であることをここで確認しておき
たい。
地球上には分類、命名された
生物が二百万種、生存し、まだ
手がつけられていない生物はその
百倍くらいいると考えられてい
る。この膨大な多様性が、環境
の変化のなかで、私達人類の生存
基盤となっている。
この生物の多様性を遺伝子、
種、生態系、それぞれのレベルで
保全する。そして多様な生物を
全て価値あるものとして、持続
可能な形(sustainab−e) で賢く
利用することも条約の目的とし
て明記されている。つまり今迄無
造作に自然を活用してきた人類
に対し、持続可能な利用と、公正・
衡平な利益の配分という大変厄
介な問題を突きつけてきた条約
と云えよう。例えば途上国の密
林から採取した希少種の植物や
微生物から抽出した遺伝子を元
に、画期的な医薬品を開発した
ならばその利益の一部は採取した
途上国に還元するという考え方
の条約である。
この多様性に価値を認め、双
子の条約の考えを教育に生かそ
うと考えているのがユネスコの提
唱する「ESD」=持続可能な開
発教育=である。
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