えんじゅ:220号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCCXT)


幕張中学・高等学校校長

田 村 哲 夫


 二〇〇九年平成  二十一年弥生三 月、渋谷幕張中学 高校から二十四期 生が、見事な実績 を残して卒業。卯 月四月、「自調自考」  の旗臓の下、結集  した生徒達による  二十七回目入学式 が挙行される。  「清浄明潔」= 清明=春の穏やか  な陽光を受け自然  の息吹きが清々し い様の節気。古来中国ではこの時 期を清明節とし、春を迎えての 先祖墓参、郊外での宴が催され ていた。又千年期を迎えた源氏 物語の紫式部と同時期に活躍し た清少納言の随筆「枕草子」に「桜 は、花びら大きに、葉の色漉きが、 枝細くて咲きたる」とあるよう に、この時期満開を迎える桜も 私達の入学式を寿ぐかのようだ。  ここで学校生活の始まりに当 たり、考えおかねばならないテー マ「キャリア」について述べる。  二十一世紀は先行きの見通しの 付け難い時代と云われている。現 在百年に一度と云われる世界を覆 う経済危機、少子高齢化社会の 到来、産業経済の構造的変化、 雇用の多様化流動化等が進む中、 青少年にとって進路をめぐる環 境は今や大きく変化しており、 「青年即未来」という存在の青少 年にとり、これからの自分の姿を 予測することの園難さは増すば かりと云えよう。こうした状況 であるからこそ「キャリア」=生 涯にわたる経歴、専門的技能を 要する職業につくこと等を考え ることがまことに大切なことにな る。一般に「個々人が生涯にわたっ て遂行する様々な立場や役割の 連鎖及びその過程における自己 と働くこととの関連付けや価値 付けの累積」をキャリアと云うが、 「個人」と「働くこと」との関係 の上に成立する概念であって、個 人から切り離して考えられない ものであり、又働くことについて は、職業生活以外にも家事やボ ランティア活動等、学校・職業・ 家庭・市民などの生活の場での経 験する様々な立場や役割を遂行 する活動として幅広くとらえる 必要がある。  中学高校生活では重要なキー ワードとして、発達に即しての「個 性」と「自立」 の意識を成熟さ せることを挙げることが出来る。 自己実現を通じてのアイデンティ ティ (本来あるべき自分の姿の発 見) の確立が個性の確立となり、 社会とのつながりと自己の位置 付けによって、適切な職業準備の 視点を自分のものにして、人生観、 歴史観、社会観といった「観」の 形成を成し遂げて「自立」を自 分のものとすることになる。  ここで触れておかなければな らない重要なことがある。「自己 実現」は自分の興味関心をその まま生かすことではないというこ とである。人が生きるとは多様 な社会との関わり抜きにはあり えないのであって、社会的自立を 目指すことこそが教育の目的で あり、社会との接点抜きの自己 実現はりえないのである。この点 キャリア発達にかかわる四つの 能力の指摘は大変参考になる。 @人間関係形成能力A情報活用 能力B将来設計能力C意志決定 能力。 (具体的説明は次号で。)

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平成21年(2009)3月31日改訂