2013年、平成25年、癸巳の年を迎える。
癸は、水の弟の意。十干の10位。四季は冬、方位北、五行の水(中国に起源する哲理、陰陽五行説)。巳は十二支の6番目、月では6月、動物では蛇が充てられる。
蛇は古代より水界の神性生物とされ、メキシコ神話では、羽の生えた蛇の神ケツァルコアトルは、商業の神、医学の神として尊重され、我国でも多くの大学・高校の校章にも使われている。又世界保健機構(WHO)のマークにもなっている。古代エジプトのツタンカーメン王の黄金マスクにあるコブラは王権の守護を意味しているが、旧約聖書によればエデン(歓喜 ヘブライ語)の園では蛇は邪悪の象徴として扱われている。
尚、巨人南方熊楠の『十二支考』(岩波文庫)に日本の文献に「蛇」が登場するのは「古事記」=遠呂智、「日本書紀」=大蛇、「和名抄」=蛇和名倍美一名久知奈波、「日本紀私記」=乎呂知、等であると紹介されている。日本最高の民俗学者として名高い熊楠は蛇の存在を人にとって幸運を齎すとして記述しているが、ことしも大きくめでたい年となってほしいものだ。
去年今年貫ぬく棒の如きもの
高浜虚子
ところで旧年12月10日、世界注視の下、ノーベル平和賞が欧州連合(EU)のマルティン・シュルツ欧州議会議長(ドイツ)に手渡された。
同日、生理学・医学賞を受賞した山中伸弥京都大学教授=iPS細胞が患者を救う=の活躍が日本では大きく報道されているが、受賞の意味することを考えると、青少年にとってはこれからの世界にとって共に誠に重要なことを示したものであった。平和賞のシュルツ議長によれば、受賞は「平和の実現」という人類の永遠の夢実現の為の重要な試みとして評価されたからという。欧州は第2次大戦後、教育、医療、労使の平等、年金や失業対策など福祉国家建設に長期的に取り組み、「社会的な平和」を確かなものとして、その上に「成長を重視し雇用を作り未来への展望を開く」ことでEUという「諸国の連帯」を成功モデルとする試みに挑戦したのである。対立を対話で解消する「諸国の連帯」。
この壮大な実験が平和賞として評価された。21世紀人類社会は「国境のない=グローバリズムの社会」の実現によって「永遠の平和」を実現出来ると考えている。そこで必要とされるものは、「対立」を対話で解決する「寛容性」と多様な利害を調整する「理性」である。
「理性」を支える重要な要素となる論理的思考力は学校教育のなかで育てよう。そして「寛容」については「世界遺産伊勢神宮をめぐる議論=94年奈良会議、Authenticity真正性について=」で日本人は体験している。(ギリシャのパルテノン神殿と伊勢神宮の比較)
奇しくも今年は伊勢神宮と出雲大社の遷宮が同時に行われる民族文化にとって珍しい年である。
グローバリズム社会では民族はその特性Identityを保持しなければ生きられないが、生き続けるには寛容さを持たねばならぬ。
自調自考生どう考える。
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