えんじゅ:268号


21世紀を歩む皆さんへ
副校長 田村



   29期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。これから新しい世界に進む皆さんに、幸せな未来が待っていることを願っています。21世紀を生きていく者には、現状に甘んじることなく新しいことに絶えずチャレンジする資質が求められています。その道は恐らく平坦でもまっすぐでもないかもしれません。仮に困難なことにぶつかっても、皆さんには卒業生として、誇りを持ってその道を歩んで貰いたいと思います。将来を見通す本物の見識と志を糧に勇気を持って対峙し、学習を怠ることなく広く世界に活動の場を自ら作り上げていってください。これからの皆さんの前に広がる未来が、実り多きものとなるようお祈り申し上げるとともに、自調自考の精神を身に付けた卒業生諸君の今後益々の活躍を期待しています。





えんじゅ:268号


凍みて旨味を出す
副校長 松井



  卒業おめでとうございます。  皆さんは、いろいろと夢を持って新しい歩みを始めます。頑張って楽しい事も苦しい事も乗り越えて、夢を実現して下さい。  ところで、皆さんは大根を寒風に晒して、大根の持つ旨味を増す「凍み大根」を食べた事がありますか。冬の寒風に昼夜晒すと、余分な水分が抜けて旨味が凝縮するのですが、この方法は豆腐などにも適用されて、本来の旨さの何倍もの旨さに変えて私たちの食を豊かにしてくれています。  皆さんは素晴らしい才能を持っています。努力することも知っています。あとは経験です。大いに活躍し、失敗し、成功して下さい。そして多くの経験から、凍み大根のように、私たちを驚かす旨味を出してくれる事を期待しています。



えんじゅ:268号


大切な経験
高校教頭 小河



  二十九期生のみなさん、卒業おめでとうございます。  四月から新しい環境での生活が始まります。通学手段、車窓風景、出入りする建物等々、すべてが変わります。大切なのは、新たな気持ちで最初の一歩を踏み出すことです。これからの数年間は社会に出るまえの貴重な時間です。学問だけでなく、仲間との付き合い、旅行、読書など、幅広い経験を積むことを通して、教養や人間性を高める努力を怠らないでください。  そしてこの貴重な時間を使い、自信の持てるものを一つ身につけることです。それを内に秘める人は、虚勢を張る必要もなく、謙虚で、心にゆとりが生まれ、自然な笑顔につながります。どんな人と仕事を共にしたいかと問われたら、答えはそこにあるような気がします。



えんじゅ:268号


わたくしという現象は
高校三学年主任 村井



 会うは別れの始め。この渋幕で日々を共にした第二十九期生との惜別の日が訪れてしまいました。忘れ得ぬ思い出の数々がこの別れを感傷的なものにしますが、皆さんの輝かしい旅立ちの日ですから、私も晴れ晴れとお祝いを申し上げましょう。ご卒業、おめでとうございます。
 さて、二〇一一年四月、緊張感に包まれて始まった高校生活、震災の傷跡が生々しく残る中で、「復興」が国を挙げてのスローガンとなり、「再起」に向けて誰もが一人一人の役割意識を問われました。このとき、出発に際して抱いた厳粛な気持ちは私たちにとっての一つの幸いでした。
 震災の傷跡が次第に癒えてゆくのに相まって、開校三十周年を記念しての新棟工事が始まり、校庭の風景が日々変貌し、スポーツフェスティバルや文化祭などが変則的なものとなりました。校史三十年の懐旧の中にも、渋幕の新時代に向けて着実に歩を進めているような実感がありました。考えてみれば、皆さんはたいへん特色のある三年間を送ったと思います。特色ある――といえば、修学旅行は中国探訪が急遽中止となり、残念でしたね。なぜ我々は中国に行かれなかったのか。高校時代の思い出に埋もれさせてしまうことはできません。
 さまざまな問題の背景に対して当事者的な関わりを要求される段階に、いよいよ皆さんは入ります。大学で学問をすることは社会の担い手たる自覚を持つことでしょう。自調自考の実践者である皆さんには未来創造の責任があると考えます。
旅立ちに当たり、菅茶山という人の言葉を餞に──。なるべく短い言葉を選びました。

 一穂(いっすい)の青灯(せいとう) 万古(ばんこ)の心(こころ) 

 燭の灯りで書物を紐解いたら連綿たる人間の営みを垣間見た──といったところでしょうか。



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平成26年(2014)3月5日改訂