えんじゅ:290号  


第三十一期生 卒業式

 

二〇一六年大学入試を振り返って
    進路部長 井上


 二〇一六年度大学入試の結果がまとめられた。今年も難関校入試に果敢に挑んだ三十一期生及び卒業生諸君に心より敬意を表したい。  今年のセンター試験は前年比で数学ⅠA、化学などがやや難化したが、国語、地歴公民などは易化した。全体では五教科九〇〇満点ベースで文理合わせて五七〇点とほぼ横ばいであった。そうした中で、本校生徒の平均点は理系七三八・九点、文系七五七・二点で、理系は横ばいだが、文系で二十二・一点、昨年の平均を上回り文系生徒が健闘した。個別の最高点は文系が八六四点、理系が八九〇点であった。(合計平均は駿台資料から)  国公立の大学別の現役の出願数は、最も多い東京大学は昨年とほぼ同じ一〇二名、医学部医学科への出願数は四十二名であった。  合格数は東京大学が現浪で七十六名、現役は五十六名といずれも過去最高となった。最難関の理科Ⅲ類には三名が合格した。特に文類では現役受験者のなんと七割が合格し、文系生徒の活躍が今年も際だった。  国公立大学医学部の合格者は、現浪三十四名(現役十五名)とやや減少した。他の国公立大学は一橋大、東工大は合格数が増加したが、京都大や東北大、筑波大など軒並減少した。国公立全体の合格数も、現浪あわせて二百十五名と若干減少した。  私立大学は早稲田大の合格数が大きく増加したが、私立大学全体の合格総数は百名以上減少した。医学部医学科は、順天堂大十六名を筆頭に、慈恵医大七名など現浪で五十七名と、ここでも若干減少した。  全体の総括として、本校生徒の難関大学への志向が近年飛躍的に高まっており、特定の大学以外は受験数そのものが減少している。受験傾向からは、いわゆる「超進学校」への体質の変化がここ数年、顕著になってきている。  最後に在校生諸君、ここ数年の先輩たちの大活躍は大きな力と勇気を与えてくれている。渋幕生としての自信と誇りを胸に、学校の特質を継承しつつ、さらなる高みへ諸君も進んで行ってもらいたい。