二〇一七年大学入試を振り返って
進路部長 井上 一紀
二〇一七年度大学入試の結果がまとめられた。まずは今年、見事な成果を挙げた三十二期生及び卒業生諸君の健闘に心より敬意を表したい。
今年のセンター試験は前年比で、国語が難化したが、英語、数学などが易化した。全国平均は五教科九〇〇満点ベースで文理合わせて五七〇・七点とほぼ横
ばいであった。そうした中で、本校現役生徒の平均点は理系七四五・八点(得点率八二・九%)、文系七六八・四点(八五・四%)で、文理共に昨年を上回った。個別の最高点は文系が八七四点、理系が八七二点であった。(合計平均は駿台資料から)
国公立の大学別の現役の出願数は、最も多い東京大学は昨年より増加し一一五名、医学部医学科への出願数は三十八名とほぼ同数であった。
合格数は東京大学が七十八名、うち現役は六十一名といずれも昨年を上回り、過去最高となった。最難関の理科Ⅲ類には三名が合格した。現役の東大出願者の合格率は今年も五割を超え、理類は五五・九%と過去最高の合格率であった。
国公立大学医学部の合格者は、三十二名(現役十九名)と今年は若干減少したが、千葉大の医学部が十名と久しぶりに二桁となった。他は京都大が十一名と増加、一橋大、東工大は若干減少した。国公立大学全体の合格数は、二百十六名(現役一六〇名)と昨年と全体ではほぼ同数となった。
私立大学は早稲田大の合格数は若干減少、その分、慶応大が増加した。私立大学全体の合格総数も若干増加した。医学部医学科は、今年も順天堂大十四名を筆頭に、全体で六十三名と、ここでも増加した。
全体の総括として、特定の難関大学への志向が今年も高まり、「超進学校」としての意識がさらに定着してきた。
そして、在校生諸君、ここ数年の進路実績の向上は確かに顕著ではあるが、決して驕ることなく、高峰に挑む熟達した登山家のごとく、冷静に足元を見つめ、礼節と、この環境を支えてくれている、御両親をはじめ、周囲の方々への謝恩を忘れずに、先輩たちの残したトレースを追随してもらいたい。
|