えんじゅ:155号
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本年度、春の地区別保護者懇 談会開催は、5月中旬から7月 初旬にわたり、8地区別の日程 により、本校啓発室を会場に校 長出席の下で行われました。保 護者の皆様、および地区役員の皆 様には多大なご協力をいただき まして心から感謝申し上げます。 この懇談会は透明性を高める ことを目的に、学校の方針や教 育活動についてご報告、ご説明 をさせていただく機会であり、 何よりも学校・家庭・地域社会 を具体的につなぐ場です。この 機会を保護者の皆様の交流や情 報交換などに活用していただき、 学校の活性化に結びつけたいと 考えています。今回は、お配り した資料に関わる話題や、シラ パス、進路学習のガイダンスの ご紹介ほか、昨年再来校された ノーベル賞文学賞作家の大江健 三郎先生の「基調講演」(NH Kテレビ放映部分)を視聴して いただきました。 さて、学校も社会変動に応じ て時代の要請に応えていかなけ ればならず、一段と難しくなっ ています。時代の変貌は従来の 考え方や、既存の価値観を崩し 共通の目標をもつことを難しく しました。自分の人生を豊かに するための、一人ひとりの個人 に応じた教育が目標になって、 教育に求められるものは多様に なりました。親の教育権、選択 権を受け止めて、学校は自己点 検し、自己評価を充実させて不 断の向上を示すよう努力が必要 になっています。 本校に通う中・高生は人間の 一生の中で最も成長する時期で す。12歳から18歳までは、 こどもから大人へと大きく転換 していく人間形成途上であり、 身体的にも精神的にも激しく変 化します。「少年期」から「思春 期」を迎え、勤勉性からアイデ ンティティの確立へと発達課題 が発展します。アイデンティテ ィ確立とは、生徒が自分らしさ を形成し、自分がどう生きるか を考えて、意欲をもって将来の 進路を決定していくということ を意味します。この点でいえば、 人間は生まれてから死ぬまで発 達課題があり、この課題をクリ アしていくことが、豊かに生き ることにつながっています。ち なみに保護者の方のタスクは 「10代のこどもを育てる」であ り、親の責任がそこにあります。 昨年、大江健三郎先生は人間 形成上もっとも柔軟な年代の 中・高生に大変関心をもたれ、 一昨年に続いて本校を訪れてく ださり生徒と親交を深めました。 先生は自らの体験を軸にしたメ ッセージが、「砂に水をかけるよ うに浸透していく」と、実感さ れ、お喜びでした。本校生徒に は大きな刺激となり、モチベー ションを高めてくださいました。 最後に、保護者皆様には本校 にお子様を託された誇りと自信 をもって、学校教育にご関心を 向けていただき、家庭教育との バランスをとり、生涯学習、教 養教育のためにも一層の連携を お願いいたします。 (瀬戸口・記) | ||
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平成14年(2002) 7月25日改訂