オンリーワンの君の心に 世界で一つだけの花を咲かせよう。 副校長 和田
入学式の日、正門脇の桜は咲
き満ちて、不思議に散る花弁は
一枚もありませんでした。花ま
でも君の門出を祝っているよう
でした。私も心より『おめでと
う』の言葉を胸にして、君とと
もに記念撮影で席を同じくしま
した。今ここに改めて二つの願
いを、期待をこめて届けます。
その一つは、『知己を得る』こ
とです。孔子は『友、遠方より
来る』と論語の中で言っていま
す。吉野弘は詩の中で『すぐ近
くまで虻の姿をして他者が』と、
光をまとった友をうたっていま
す。
このように友は遠くにも近
くにもいるのです。その存在に
気付き、知己とし得るかどうか
は君にあるのです。吉野はその
詩『生命」の中で、
……生命はその中に欠如を抱き、
それを他者から満たしてもらう
のだ……と、
知己を得る価値に熱い思いをは
せています。
君よ、遠くから近くからの友
との出会いを大切に、知己を得
て、白分探しの旅人と旅立って
欲しい。
その二つは、『知を磨く』こと
です。知を探し求める時、なぜ
か私たちは、時空を越えて、古
代ギリシャヘ、そしてソクラテ
スの声を聞きたくなります。
ソクラテスの、毎日アテネの町角
に立って、道行く人に質問をし
対話を重ねて知を磨いたと言う
故事を思い出します。『知らない
ことを知る』ことから『不知』
は『知』の母と言えるのでしょ
うか。ソクラテスはこのことを
最もよく分かっていたのでしょ
う。
『自分は何者、何を求めてど
こへ行こうとしているのか』そ
うした白分探しを今まで以上に
考え出す君にとって、他者であ
る知己の存在は欠くことのでき
ないものです。そしてその知己
は、より多くの書物の中で発見
します。
かくして君は、オンリ
ーワンの君を造り、その心に君
だけの花を咲かせて欲しい。
ー入学・進級を祝してー 考える力を養う 副校長 田村
本校での新しい年度を迎えて
早1ヶ月が過ぎようとしていま
す。今年も入学式は、天気に恵まれ
、まるで計ったかのように満閉
の桜が、入学生を歓迎してくれ
ました。心からお祝い申し上げ
ますとともに、入学・進級に際し
新たな気持ちを持って学校生活
を送っている生徒の皆さんに
は、是非それぞれの目標を特っ
て、充実した一年間を送って欲
しいと期待しています。
さて、4月25日、丁度本校に
て防災訓練が行われたその日に、
兵庫県尼崎市で、JR西日本の
電車脱線事故が発生しました。ま
だ事故原因の詳細等は判明して
おりませんが、死者の数は100名
近くに上る大事故となり、マ
ンションに突っ込んで潰れた列車
の映像に大変な衝撃を受けま
した。色々な状況が重なった中
での事故なのでしょうが、なぜこ
うなることへ考えが及ばなかった
のかという思いを強くしました。
本校の教育目標の『自調自考』
にもその一字が入っていますが、
これから新しい学年生活をスター
トさせる皆さんに、是非「考え
る」ということの大切さを少しお
伝えしておきたいと思います。
「考える」ということは、言葉にすると
簡単な言葉ですが、人間の行動
そのものを規定する非常に
重要なキーワードです。
「考えが及ぱない」ということ
は、想定の範囲外となり、その
ことに対峙することができなくな
ります。「想定の範囲内に収め
る」=「考えが及ぶ」ようにな
れば、ゆとりや余裕を持って物
事に対峙することが出来、冷静
な判断やその人の持っている力
を如何なく発揮することが出来
るようになります。
突き詰めて考える力や、多角
的に物事を考える力など、様々
な考える力がありますが、その力
を広く養い、他者の考えまで思
い巡らすことで、皆さんの持っ
ている力を存分に発揮し、実り
多き一年になるように願います。
出会いを大切に 中学第一学年主任 高橋
入学式からほぽ一か月が過ぎ
新入生の皆さんも少しずつ学校
生活に慣れてきたのではないで
しょうか。
これからの六年間は、人生の
中でもっとも心身の成長が著し
い時期です。それだけに人格形
成には、きわめて大切な時期で
もあります。そのような六年間
でぜひ心がけて欲しいことは、
よい友人をつくるということで
す。
楽しいときだけではなく、
つらいときは励まし合い、お互
いに認め合い切蹉琢磨できる友
人です。よい友人がいればきっ
と学校生活がより充実したもの
になるはずです。新しく始まる
勉強も大事にしなければいけま
せんが、お互いに支え合い、一
緒に成長していく友人も大切に
してください。
これからの六年
間には、悩むときや迷うときな
ど、いろいろなことがあるでし
ょう。そんなとき、友人から学
ぶものがきっとあるはずです。
出会いを大切にして、より充実
した学校生活を送って欲しいと
思います。
楽しさの秘訣 高校第一学年主任 藤井
私自身、これまでの人生で楽
しかった時期は何度かある。中
でも、高校生の時期はその上位
にのぼる。楽しさにも色々ある
が、高校生の時期の楽しさは、
「自分のやりたいことができた」
ことではないだろうか。部活、
趣味、知識の獲得、恋愛…。
とは言っても、高校生になっ
たばかりの頃は、やりたいと思
うことを始めても、何故か楽し
さを感じるまでには至らなかっ
た。単なる「好き勝手」では楽
しくないのである。楽しさを保証
するものに気づかなかった。
自分の行為・行動は常に他の
人との関わりの中で存在する。
従って、好き勝手なことが他の
人に認められなけれぱ、ぶつか
り、妨げられてしまい、決して
楽しさは得られない。認められ
ること、即ち「信頼関係」が不
可欠なのである。
何を為せば、この信頼を獲得
できるのかは各自の課題である。
勿論「やりたいことができる」
には、「やろう」という意志がな
ければならないが…。
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