平成十九年、一学期が終了し夏
休みを迎える。
生徒諸君は、毎日の生活の過ご
し方の主導権を学校から取り戻
し、一人一人が自分の時間をどう
使うかを決めて行動する夏休み
に入る。人間にとっ
て「習慣」は、計
画実行の前にある
もので、善い習慣
を身につけている
ことが大変に重要
な意味があること
に気付いてほしい。
最近の脳科学の
研究では、人は「目
的が最初にあって
行動が生まれるの
ではない。人にとっ
て目的とはだいた
い取った行動に対
して、脳が後から付ける理屈のよ
うなものなのである。脳の働きか
ら考えると、とりあえず行動す
ることが何よりも大切なことのよ
うだ。」有名な田中博士のノーベ
ル賞受賞は思いがけない発見のド
ラマ−セレンディピティー−だ
と言われているが、とりあえず学
者としての善い習慣で毎日研究
活動していたから生まれたのであ
る。
夏休み中は特に、毎日の善い行
動の積み重ねを「習慣」とするこ
との大切さが実感出来る。
行動してこそ、思いもかけぬ成
果(実力)があがるということは
歴然とした事実である。
どうぞ、この夏休みの六週間、
意識しての毎日の善い生活習慣
を。
そしてその上に立っての素晴ら
しい各自の目標が遂げられること
を心から期待する。
ところで、初夏の日本の空は、
今年も中国大陸北西部から飛来
する黄色の砂塵である「黄砂」現
象に悩まされた。中国における砂
漠化進行と深く関係する現象で、
現在関係する三国の学界等が中
心となって防止対策が進行してい
る。
こうした環境について考える研
究が、今日国連を中心にして、「持
続可能な開発」という考え方にま
とめられ世界に広められている。
きっかけとなったのは一九八七
年四月に公表された「われら共通
の未来」−ノルウェーの元首相グ
ロ・ハルレム・ブルントラント氏
が主宰した「環境と開発に関する
国連委員会」報告−。この報告
で持続可能な開発とは、「将来の
世代のニーズを満たす能力を損な
うことなく、今日の世代のニーズ
を満たすような開発」と定義す
る。
この考え方は世界中に大反
響を呼び「持続可能な開発」
Sustainable Developmentは世界
の人口に恰失(かいしゃ)している。
今夏、私はユネスコ国内委員会
の一員(副会長)として「持続可
能な開発教育」を国連に提言す
る為の文章作成に参加して汗を
流している。
国連への日本の六つの提言の考
え方の基本には「環境ではなく持
続可能性を追求するから意味が
ある。環境という言葉には、開発
を抑制することで地球の終焉を
避けるという否定的な意味があ
り、事態を単純化する危険性が
ある。一方持続可能性は開発を否
定するどころか前提としているた
めに、環境と開発をいかに共存さ
せるかというかたちで問題を複雑
化している。その意味を単純化せ
ずに、どこまでも複雑なものとし
て受け入れることが、私達に与え
られている試練だと考える。」と
いう考えがある。自調自考の幕張
生諸君。どう考えるかな。
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