えんじゅ:227号校長先生講話 |
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「自調自考」を考える(そのCCXVIII)幕張中学・高等学校校長田 村 哲 夫 |
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西暦二〇一〇年、平成二十二年、庚寅の年を迎える。
庚は陰陽五行で
「金」の性の「陽」。
木の幹が語源の十
干の七番目。
寅は十二支の三
番目の「陽」が割
り当てられる。
庚はものごとが
「更(あらたまる)」
で草木の成長が行
き詰まり、新たな
形に変化しょうと
する状態を表して
いる意があるという。
寅は十二支の三番目。動物では寅(虎)が充てられる。
日本での起源は、日本に中国
の暦本がはじめて渡米(朝鮮経由)した五五四年(欽明天皇
一五)と考えられる。日本最古
の文献の一つ 「日本書紀」 には
神武天皇以来の干支が記入され
ているが、「古事記」にはみえて
いない。
中国で創られて (紀元前十七
世紀ごろ) 以来、長い歴史を持
つこの十干十二支の思想は、新
しい年を迎え、新しい夢が語ら
れる時には、必ずといってよい
ように登場して、人々の心を揺
さぶる。ロンドンで大晦日のロ
ンドンタイムスを読んだが、殆
どの頁が新年に向けての星占い
であったことを想い出す。
人は、こうして新しい年を迎
える。夢を抱いて。
昨年を漢字で表すと「新」だ
そうだが、私達にとっては、「政
権交代」と「大学進学率50%超」
の二つが大きな出来事であった。
特に後者は、今年から教育の世
界に根源的とも言える大きな変
化をおこしていくものとなろう。
マーチン・トロー(米UCLA
大教授) が「大学教育は、同年
代世代の15%進学の時は、エリー
ト教育であるが、それを越すと
マス教育に変質しなければなら
ず、50%を越すとユニバーサル
教育に変化することが求められ
よう」と提言した時、私達は何
時頃実現するのかと戸惑ったも
のだが現実のものとなってきた。
いよいよ、教育のアセスメン
ト(評価点検) 又成果(ラーニ
ングアウトカム) そして教育の
世界でのPDCAサイクルの現
実化が求められて来るのであろ
う。昨年はチャールズ・ダーウィ
ンの生誕二百年であり、又名著
「進化論」出版の百五拾年でも
あった。ダーウィンがピーグル
号の航海で進化の着想を得て、
発表まで実に二十年以上かけて
いる。その熟慮の結果出来上がっ
た考え−すべての種は進化し
枝分れして出来る−の正しさ
は、例えばDNAの研究成果の
進展で立証されたヒトとチンパ
ンジーの遺伝子の差は1.2%しか
ないといったことや枝分かれの
時期も特定出来ることからも立
証されている。そしてこの枝分
かれ=変異は通常生物の中にた
め込まれているが、その中のあ
るものが環境が変わった時など
の刺激で働きだすとも考えられ
ている。南極にいる海水0度以
下でも血液が凍らない魚やオペ
ロン説リブレッサ作用の大腸菌
の働きはその例である。
現在の大きな教育の変化の時
こそ、生物ヒトの持つ膨大な多
様性と変異の能力を信じて、しっ
かり働きかけていこうと考えて
いる。
自調自考生どう考える。
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平成22年(2010)2月25日改訂