えんじゅ:229号


開校記念講演「世界を知る力」
  寺島実郎先生      


 去る2月18日、多摩大の学長で あり日本総合研究所会長の寺島実 郎先生をお招きし、広範でかつ膨大 な資料集をもとに、我々は現在どの ような時代を生き、どのような視 点で世界を知るべきなのかについ て、お話しいただいた。以下、抄録 を記す。
 勉強するだけでよい国−13年間 のシベリア抑留生活を経験した高校 教師から平和な時代に学問するこ との意味を啓示され、半可通で生意 気だった私の愚を痛感。以後の私の 姿勢を変えた。
 日本はどこにいる?−経済は物・ 金・人の動きをとらえるゲームであ るが、09年の日本の貿易輸出入総 額に占める中国の割合が戦後初め て米国を抜き、対大中華圏(中国・ 台湾・香港・シンガポール)で3割、 対アジアでは5割と、日本の産業経 済の基本性格に変化が生じてきてい ることを物語る。
 日本は車を売って資源・エネル ギー・食料を買う貿易立国であった が、今や車の販売台数では中国の1 /2、租銅生産でも1/5で、69年 以来世界2位のGDPを誇ってきた 日本の座を今年度中に中国が奪う のは確実視されている。大中華圏で はすでに08年に抜かれている。
 中国台頭のわけ−中国は「台湾」 とは「一つの中国」という原則を維 持しながらもソフトランディングを 心がけてきた。そしてイギリスから 返還された「香港」との「一国両制」 を十全に果たした。大中華圏の一国 であるシンガポール、頭(=良質の 労働力・資本・情報)だけを持ち 身体(=土地・資源・原材料)を持 たず、他の身体間を結合させる結 節点として機能する「バーチャルス テート」として、バイオ技術の研究・ 医薬品の開発など世界に冠たる経 済国家となっている。これらの国との ネットワーク型の相関が相乗的に大 中華圏全体の活力を高めているとい える。
 アジア大移動の時代−08年の日 本の出国者は中国へ345万人、米 国へは325万人であるから確実に アジアへシフトしている。また入国 者に関しても09年訪日米人は70万 人で減少傾向に、中国人は101万 人で増加傾向に。09年の中国の出 国者は5000万人で、5年以内に 1億人になることは必至であり、そ の1割を日本に向けさせようと日本 は考えている。
 刷り込まれた米国信奉−日本の 近代はペリーからスタートし、大戦 も米国に敗北したという意識が刷 り込まれたが、近代化に関してはロ シアを、敗戦に関しては中国を視界 にいれるべき。表日本と裏日本の古 称は米国を意識したものだが、地勢 的にみても反転させる発想が必要。
 オハマのグリーン・ニューディー ルは成功するのか−化石燃料から 自然エネルギーへの転換政策をコス トと供給量に関してその成功を疑 問視する専門家もいるが、「小規模・ 分散型」のアキレス腱がむしろEV (電気自動車) への供給にメリット に。
 「スマートグリッド(次世代双方 向送電網)」構想、やEV、ITと 相関・相乗することによって、世界 の進路まで及ぶ大きな意味を持つよ うに思われる。  固定観念にとらわれず、「相関の 知」をもって地平を開く気概をもっ て欲しい。




北京月壇中学ホームステイ研修
 1A 笹原

  私達は十二月十八日から一週 間、真冬の北京に行ってきまし た。月壇中の生徒の家庭に泊ま り、様々な体験をさせていただき ました。個人的には、中国とい う大国を観光客という視点から ではなく、中国人に近い視点から 見たいと思い参加しました。テレ ビや教科書の中で見る中国では なく、生の中国を見たいと思いま した。  参加した率直な感想は「凄い」 です。中国の美しい文化、人々の 活気、おいしい食べ物、毎日驚く ことがたくさんありました。たく さんの思い出ができ、これは私の 宝物です。  私達は今年の十月にまた研修 で中国に行きます。次回はどん な一面が見られるか楽しみです。

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平成22年(2010)3月29日改訂