えんじゅ:231号


平成二十二年度
入 学 式


 去る四月七日水曜日、今年も 新たな仲間たちを迎え、入学式 がとり行われました。当日はあ いにくの雨模様でしたが、講堂 での式典は厳かな中にも和やか に進み、中学校二百五十七名、 高等学校六十九名の入学が認証さ れました。
 新入生の代表として、中学校 は大江君、高校は阿久津君が記 念品を受け取り、宣誓は例年の ようにパイリンガルで行われ、 中学校は、日本語で斉藤君、英 語で池田君が、高校は、日本語 で池澤君、英語で新田君が新入 生としての志を述べました。
 高等学校第一学年は中学から の進級者と併せて三三四名での スタートとなります。




楽しい学校生活を

中学副校長 松井




 ご入学おめでとう。新しいこ の学校で、これからの自身の基 礎をしっかりと築いて下さい。
 さて、学校は楽しくなければ なりませんが、その楽しさはゲー ムやおしゃべりの楽しさだけで はありません。校外で体験した 楽しい思い出を話したり、聞い たりすることも楽しみですし、 本を読んだり、写真を見るのも、 講演を聴くのも楽しい事でしょ う。でも、額に汗して練習に励 むのも、夢中で計算して答を求 めたり、時間をやりくりして基 礎英語を聴いたり、英会話を勉 強したりするのも楽しい事では ないでしょうか。猛烈な練習で サーブがうまくなったり、シュー トができるようになったとか、 難しくて、誰もが途中であきら めた問題の計算ができて答が求 められたとか、外国の人に道を 聞かれ、英語で説明ができたな ど、胸ドキドキ・ワクワクの楽 しさが積み重なって、活動力の 基礎を形成していくので、とて も大切な楽しさの経験です。当 然な事ながら、これらの楽しさ は、うまくいかない事があるか ら、ショックも大きいし、それ だけ自信喪失にもなるのですが、 それだからこそ、為し得た時が 素晴らしいのです。やった!と いう達成感、心の充実感。これ が自信となり、次への意欲にな ることでしょう。
 渋幕での生活の中で、自分の 弱点を、自ら鍛え、何事にも意欲 を持って取り組む、楽しい生活 を築くことを期待しています。



共生の六年間

中学第一学年主任 高橋



 入学式を迎え、幕張での六年間をどう描くかの「賽」はすでに投げられました。 たくさんの夢や目標を描いている人には、おそらく一秒でも無駄にするのが惜し いことでしょう。
 皆さんにまず伝えたいのは、基本的な生活習慣と学習習慣を確立させることです。 これについての猶予はないはずです。
 続いて、今までの人生において人にしてもらうことがおそらく多かったであろう 皆さんには、ぜひその殻を破り、人のためにしてあげる意義と喜びを味わってほ しいと思います。

 世の中に目を転じれば、高齢社会を迎えて「ケア」という言葉が多用されてい ます。しかし、これは何も目新しい考え方ではなく、鎌倉仏教(浄土宗)にはす でに「共生」という思想があります。各々が抱える弱さを認めて補いあいながら 共に生きるというのは、実はそう容易いものではありません。認めあうよりも弱 さを攻める方が楽で、その方が自分を安全な場所に置けるように錯覚できるから です。だからこそ、共生もケアも古今も東西を問わずたえず唱え続けられ、より 良い生き方(クオリティ・オブ・ライフ)の指針として光を保っているのでしょう。

   つい先日まで、まだ見ぬ皆さんとの出会いを心待ちにしていたのに、はや六年間の 七十二分の一の時間が過ぎようとしています。どうやら「ゆっくり急げ」というのも お祝いの言葉につけ加える必要がありそうです。



−入学を祝して−
新たなスタート

高校副校長 田村



 今年は、不安定な天候が続き、 地域により桜の開花にばらつき が出る年となりましたが、入学 式には満開の桜となり新入生皆 さんをお祝いしてくれました。
当日は残念ながら雨にふられ、 記念撮影は体育館で行うことと なりましたが、その後も元気に 通学する皆さんを温かく見守っ てくれています。スタートして から、早1か月が経とうとして いますが、改めて心からお祝い 申し上げます。

 さて今年度、皆さんは新たに 設置された太陽光発電パネルと 太陽光集光装置をご覧頂いたで しょうか。地球温暖化に伴いCO2 排出削減の取り組みが行わ れていますが、環境教育の一環 として今年度から導入しました ので、関心を持って見て頂けれ ばと思います。
 皆さんそれぞれが新しいス タートを迎えて持つ志を忘れず、 粘り強く取り組み、積極的に学 校生活を送ってくれることを強 く期待します。



自分に賭ける

高校第一学年主任 深村



 合唱祭や卒業式でよく歌われる「手紙 〜拝啓 十五の君へ」の アンジェラ・アキさんは、十五歳で日本からアメリカに移り住み、 大学卒業後、会社員とアマチュア歌手の二重生活を続けていた。生 活のためと、夢をかなえるための手段だったが、睡眠時間も取れな いほど時間に追われ、どちらも中途半端になりがちだった。そんな とき、会社の上司が、「Take a chance on yourself!(自分に賭け てみなさい)」と声を掛けてくれたのだ。その言葉に押されて、歌 手活動に専念した結果が、今のアンジェラさんである。安定した生 活を捨てるのは勇気がいる。しかし、その勇気が幼い頃からの夢を 現実のものとしてくれたのだ。応援してくれた上司も立派だが、踏 み出した彼女はそれ以上に立派と言える。

 「自分に賭ける」のは簡単ではない。自分を信じる強い心が無く てはできない。自信を持つには、拠り所となる不断の努力が必要で ある。努力は、明確な目標の設定と、現実的な計画で継続しやすく なる。「な(あ)りたい自分」をイメージし、全力で当たるしかない。
 とはいえ、計画通りに行かないことや、自信をなくすこともある。 そんな時は誰だって目標を見失いがちである。躊躇せず、他人の力を 借りよう。苦悩を分かち合える友人の存在は、何ものにも代えがたい。
 三年間の高校生活は短い。しかし、長い人生の節目となることが多 いのは、濃密な時の連続だからである。

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平成22年(2010)5月20日改訂