えんじゅ:241号


2011年度入学式




 去る四月七日、中学第二六期生三一八名、高校第三二期生九四名の入学式が執り行われました。本校も震災を受け、直後は、新学期始めの予定の見直しをせざるを得ない状況でしたが、校舎の点検、補修も予想以上に順調に進み、無事に入学式の日を迎えることができました。多くの方々のご支援とご好意とによって、新しい仲間たちのはれの日を祝うことができました。  



ようこそ渋谷幕張へ
副校長 田村




 新入生の皆さん、入学おめでとう。一緒に学園生活をスタート出来ることを大変嬉しく思います。特に今年は東日本大震災が発生し、東北を中心に大きな被害が出ています。ここ幕張でも無事に入学式が出来るか心配しましたが、関係各位の努力により、液状化被害からの復旧も進み、校庭の桜も満開となって新入生皆さんをお祝いしてくれました。被災された地域ではまだ学校を始められないところもたくさんあると聞きます。私たちは、今出来ることに精一杯取り組んでいくことが被災地の方々を応援することに将来必ず繋がってくると信じています。
 皆さんも大事な中学高校生活を思う存分過ごして貰いたいと思います。
 皆さんが送るここ渋谷幕張での中学高校生活は、無限の可能性を秘めています。自分の可能性を広げ、現実のものとすべく、これからの一日一日を大切に、慌てず急がずじっくりと過ごしながら、3年間・6年間を見通して、色々な経験・様々な交流の輪を持って、大きな人間として礎のもとをしっかりと築いて貰いたいと思います。
 さて今年度、30周年記念として校舎整備が始まります。図書館棟の高層化を図り、校舎設備の更なる充実を進め、校舎内をバリアフリー化する予定です。今年度から来年度に掛けて、順次工事を行っていく予定ですので、ご協力宜しくお願いします。
 皆さんそれぞれが新しいスタートを迎えて持つ志を忘れず、粘り強く取り組み、夢に向かって積極的に学校生活を送ってくれることを強く期待します。



目標達成のための方策
副校長 松井




 ご入学式おめでとうございます。
 四月七日の入学式には、どのような気持ちで参加されましたか。東北三陸地方での大地震とその後の大津波、福島での原子力発電所の事故と、連日大混乱の日々に続く入学式でしたから入学後の学校生活への大いなる期待や不安とは別に社会状況への不安があったのではありませんか。
 学校生活の不安の解消のために、考えてみたい事があります。
 新入生の皆さんは、本校での六年間か三年間の生活でどのような事を成し遂げようと思っていましたか。勉強でも、部活動でも、友達との関係でも、場面は何でも良いのですが、自分のやりたい事を決めて下さい。自分の目標が決まれば、次に、目標達成のための手順を考えて下さい。自分の考えられる手順を決めて下さい。これで準備ができたことになります。
 生活が始まったら、手順に従って努力しましょう。いろいろと工夫する事も必要でしょう。継続は力なり、という言葉を信じて努力を続けて下さい。いろいろと壁に直面して動けなくなったとき、ここが大切ですが、目標を変えるのではなく、手順を見直して、検討し、組み立てて目標達成をめざして努力を続けることです。何度でも、手順を冷静に評価して組み立て直していると、事によっては、三年や六年では解決しないかも知れません。でも、やりがいは有るでしょう。もしかして、それが将来の皆さんの進路を決定する研究になるかも知れません。
 せっかく入学した渋幕です。授業に、研修に、部活にと、友だちといっしょに充実した生活にして下さい。



成長するために
中学第一学年主任 篠崎




 入学おめでとうございます。
 未曾有の大震災の余韻が残る入学式、大きな期待といつも以上の不安が入り交じった気持ちでこの日を迎えた人も多かったのではないでしょうか。
 さて、これからの六年間は、自分を探し自分をつくる時間です。人との出会い、物事との出会い、夢との出会いなど数多くの出会いがあるでしょう。それらに上手に出会うには、いつも前向きで謙虚な気持ちを持っていることが大切です。
 そしてもうひとつ必要になるのは、「今」自分にできることを考え、それを行動に移すことです。今回の大震災でもそれを痛感しました。これから先も間違いなく求められるのではないでしょうか。受け身ではなく、自分から積極的に動くこと、それができる人に成長することを望みます。「見つかる」ということを待つのではなく、「見つける」という努力をする、この気持ちの持ち方の違いで、何かをつかむ可能性も大きく変わり、出会いの幅も増えるでしょう。
 ただし、いつも望み通りに事が運ぶとは限りません。いろいろな壁にぶつかり、答えがなかなか見つからず、その場から抜け出せないときもあるでしょう。そんな場面でも焦らないことです。悲しいことや苦しいことも成長していくためには必要な経験であり、それらを受け入れることも大切です。
 最後に、「生きている」ということに喜びを感じて生きていきましょう。生きていることで何でもできるのです。ですから簡単に諦めてはいけません。君たちの中にある無限の可能性、それを忘れないで下さい。 昨日より今日、今日より明日の自分が少しだけ成長しているように。そして「今」という時間をじっくりと考えながら、共に歩んでいきましょう。



運命の出会い
高校第一学年主任 村井




 新入生の皆さん、また、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。学年教員・内部進学生共々、皆さんとの合流を心待ちにし、今こうして皆さんを迎えられたことは至上の喜びです。異なる個性が出会い、切磋琢磨し、皆が飛躍的な発展を遂げる。期待感に満ちた青春時代の始まりを祝福してやみません。
 さて、向後三年の展望は…。まずは、身体の発達・完成。人間の身体として最も充実した時代を生きます。S・Fスポーツフェスティバルなど、学年が上がるごとに美しさ、力強さを増し、からだが躍動します。
 知性教養の発展も著しい。自調自考論文はひとつの種になり、大学での研究に開花しましょう。
 なんといっても楽しい思い出を紡ぐのが宿泊研修。広島の空は連日快晴、平和の尊さに思いを深くし、青空に映える厳島神社の朱色が目に鮮やかです。中国は古代日本人の憧憬を回復し、我々の訪中を熱烈歓迎してくれます(…のはずです)。
 友情を育み、恋をし、将来を考えてゆく機会が枚挙に暇なくこの学舎に充ちている。そんな明るい未来をさらに飾りたてるような祝辞を添えたいところですが…。(どうにも歯切れの悪い末尾です。)
 「平成二十三年度」。長らく記憶に残りましょう。予定通り来なかった「現在」の困難とどう向き合うか、根源的な問の数々に直面し、起こったことだけが真実だと改めて思い知らされました。ただ、それはバラ色の未来に影を落とすかもしれませんが、これから高校で学ぶ若人たちに確たる学びの動機を与えるものでもあったと確信します。
 出会うべくして出会った新たな集団として、常に「最善」を求めて前進しましょう。


ハーバードブックプライズ受賞



 高校3年の沼田さんが二〇一〇年度のハーバードブックプライズを受賞しました。
 この賞はハーバード大学の卒業生会であるハーバードクラブが世界の優秀な高校生に対して贈る賞で、著名な作家の本が贈呈されます。二〇一〇年度より渋谷教育学園に対して幕張高・渋谷高それぞれ一名ずつに賞が贈られることになりました。
 沼田さんは全日本および全米模擬国連大会における優秀賞受賞、オランウータン保護活動への貢献などが評価され、今回の受賞となりました。四月七日の始業式においてハーバードクラブジャパンの山本様より書籍が贈呈されました。
 

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    平成23年(2011)6月2日改訂