えんじゅ:241号
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地震、そしていざNZへ 高1 櫛田 三月十三日。私達ウェリントン組が日本を発ったのは東日本大震災からわずか二日後のことだった。まだほとんど被害状況もわからず、ホームステイへの不安より日本への心配の方が大きいような状態で二週間の研修が始まった。 数日目の夜、ニュースで津波の映像が流れた。いつの間にか私は悲しい顔をしていたらしくホストマザーはハグをして慰めてくれた。彼女がハグをしてくれるのは初めてのことで、嬉しくてたまらなかった。 優しかったのはホストファミリーだけではない。バディの知り合いみんなが、私が日本から来たと知ると「家族は無事ですか?」と訊いてくれた。もし立場が逆だったら、私は初対面の相手の家族のことまで気づかうことができただろうか──。 地震は誰にとっても悲しいものだが、大きな災害があったからこそNZの人々の優しさに触れることができたのだ。 「いつかまた会おう。」バディにそう言ってお別れした。もう一度ここに来たい。心の底からそう思った。
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驚き絶えぬ中国研修 高2 金子 僕達はこの春休みに三人という少人数で中国へ行ってきました。僕がこの研修に参加しようと思ったのは中国の言語・食・文化をこの身で感じようと思ったからです。さらには、経済成長が著しい中国を一目見てこようとも考えていました。 この研修では土・日曜が一番初めにきたので、僕はバディと一緒にお土産を買いにいきました。すると北京市内にあったのはほとんど東京と変わらないデパートの数々と日本では考えられないような車の数。これらは僕の想像の遥か上をいき、見た瞬間今まで自分の中にあった中国のイメージが吹き飛びました。僕はただ「すごい…。」と言うことしかできませんでした。 月壇中学では少しの間しか授業に出れませんでしたが、やっている内容はレベルが高く、また日本語の授業でも日本人の自分が上手だと思う発音だったため、総合的に比べたら自分なんかじゃ太刀打ちできないなと思いました。また、クラスメートもみんなフレンドリーに話しかけてきてくれてとても楽しく過ごすことができました。 また、トヨタへの企業訪問では日本人の方に中国での苦労や日本との違いなど、とても興味深い話をして頂いたり、北京大学や清華大学では、街としか考えられないような広さに驚いたりと、普通なら見られない所まで見てきました。もちろん、万里の長城の登り降りに苦労したり、故宮のあまりの広さに呆然としたりもしました。 たまに、「中国へは修学旅行でも行くのにどうして行くのか」と言う人がいます。確かに中国の経済成長や観光地を見るだけならそれでもいいと思います。しかし、この研修はホームステイであるために普通の修学旅行では感じることができないこと、例えば家庭内での生活様式の違いや、電車やバスなどの交通機関の違いなどを深く感じることができました。だからこの研修にも意味があるのだと中国へ行く前も、帰ってきた後も強く感じています。
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視野を外に広げること 高2 持尾・柯 今回イギリス研修に行って一番感じたことは、現地の方たちが自ら情報を発信することに積極的だということです。 現地の学校で私たちははじめ日本人同士でかたまりがちで注意されることも少なくありませんでした。しかし周りを見てみると、他の国から来た留学生たちは皆、慣れない英語でも一生懸命コミュニケーションをとろうとしていて、私たちも「せっかく来たからには、もっと話さないといけないな」と思わされました。そして最終的には台湾・中国・韓国といったアジア系の人たちをはじめ、リビアやフランス、サウジアラビアなどの世界各国の人たちと交流を持つことが出来ました。 交流を通して分かったことは、彼らがフェイスブックなどを利用し、様々なことに対して視野を広げ吸収しようとしていたことです。それは、私たちも必要なことだと思います。グローバル意識を高め、もっと積極的に物事に挑戦していくことが、自分の成長につながるのではないか──私たちはそう思います。
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My School, My Pride 高2 河野 今回の研修で、私達はシンガポールの巡検と並行して現地の高校二校と交流した。特に刺激を受けたのがRIからだ。HarvardやCambridgeに毎年数多くの進学者を輩出し東南アジアトップと評される名門校。どんなエリート集団かと恐々として訪れた。 しかし授業に参加してみると、そんな恐れは全く無用であった。授業中は議論や冗談で正直うるさいほど。そして皆フレンドリーで個性豊かだ。どこか渋幕に雰囲気が似ている。 RIが一番大切にしているのはRafflesian(RI生)であるという誇り。印象的だったのが学生寮での体験だ。寮生は五つに分かれたブロックごとにTシャツを作り、スポーツの対抗戦などで自分の寮に誇りを持つことから学ぶ。入り口には“My Block, My Pride”の文字。私のバディもやはりRafflesianとしての誇りと自信に満ちていた。 多様な民族・宗教の人々が集う国際社会において大切なのは、自分のアイデンティティーに誇りを持つこと。そうして初めてバックボーンの違う相手を尊重することができる。そのことを「国際社会の縮図」シンガポールの高校から教えられた。 果たして自分達は渋谷幕張に誇りを持っていると胸を張って言えるだろうか。渋幕の一員として、皆が誇りに思える学校を共につくろう。そう決意して研修を終えた。
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ハーバードブックプライズ受賞 |
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平成23年(2011)6月2日改訂