えんじゅ:243号


(開校30周年記念)
図書館新棟の建設について
 副校長 田村





 渋谷教育学園幕張中学・高等学校の開校30周年にあたり、図書館棟の建て替えを行うこととなりました。生徒の活動場所を拡げ、多様な展開授業に対応出来る施設の確保、IT関連を含めた最新の教育設備の導入を図ることを目的に計画を立案。建設に際してのコンセプトとして、建学の精神(自調自考) に合致した30周年として相応しいものであること、環境等に配慮した建物であること、生徒の活動場所を更に広げ充実した内容となることを掲げています。
 最終的に、校内各所に散らばっていた各クラブの部室棟を集約し、中学生による利用も念頭にカフェテリアは増床することとし、図書館棟を高層化、5階建ての建物として建設することとしました。図書館新棟は、1・2階に増床された図書館(蔵書数12万冊程度)、自調自考室、大会議室、3階にはコンピューター関連教室と中学理科教室、4階には音楽関連教室を移転し、最上階には第二啓発室としての多目的教室を配置します。詳細については、是非図面等をご参照ください。
 


 新棟の建設により、既存校舎における普通教室の数も増え、同時展開出来る授業の幅も広がり、学校全体で更なる教育環境の充実が図れます。また新棟の3階からは、高校棟並びに中学棟へ渡り廊下で接続しますので、学校全体のバリアフリー化も完成します。太陽光パネルも設置し緑化を積極的に取り入れることで環境にも配慮した建物となっており、震災(津波)への対応も念頭に入れ、2階以上に分電盤や放送ブース、サーバー室や倉庫を配置します。
 工事はT期・U期に分かれ、T期工事では、カフェテリアの増床と部室棟の建設を行い、図 書館機能や中学理科室横能の代替を確保。U期工事として、来年度から図書館棟の建て替えを 本格的に行うこととなります。最終的には、図書館新棟の建設に加え、カフェテリアの増設と 部室棟が出来上がりますが、T期工事とU期工事を合わせ、約1年半に及ぶ工事期間中、部室の仮移動をはじめ、何かとご不便をお掛けすることとなりますが、安全には万全を期し、授業並びに学校活動に支障の無いよう、十分注意して工事を進めていく予定ですので、ご理解ご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。



東日本大震災をうけての本校の対策について
副校長 田村




 三月十一日に発生した東日本大震災では、多くの生徒が帰宅出来ず、校内にとどまることと なり、また校外で被災する生徒も多数出ました。幸い電気は止まらず、校内での火災も発生せ ず、校舎は大きな被災を免れたものの、液状化により、給排水が止まるなどの被害を受けました。翌日には交通網が復旧し安全が確認されたため、校内に残っていた生徒は路線ごとに教員と集団下校をし、夜には生徒全員の安否確認ができました。一方で、通信手段が混乱し、震災直後には、生徒の安否確認をすぐには保護者と共有できないなど、課題も出ました。  校内では、震災における対応の総括を行い、津波への対応を含め防災マニュアルの再整備を行 いました。夏の節電対応を含め、以下、その概要につき、ご案内申し上げます。保護者の皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。
1.防災体制について
@生徒の避難に関して
 今回の震災でも校舎自体の安全性が確認されたこともあり、校内に留まることを基本とした現在の避難計画を維持することとしました。すでに生徒全員分のサバイバルキットの補充も完了しております。なお、津波警報発令時には、本校校舎の二階または三階以上に避難することにしました。
A生徒の在校確認に関して
 ラインネットによる一報の後、学校のHP上に在校している生徒の学年・クラス・出席番号を公表し、保護者との情報の共有に努めることとします。
B校内設備・備品に関して
 避難生活に必要な備品については、ライフラインが切断された事態を想定し、三日間程度、学 校にとどまることができるよう一層の充実を図ります。また今回は発生しておりませんが、津波による電源喪失を念頭に入れた設備や備品、初期消火のための備品についても、準備します。
C今回発生しなかった点
 火災発生や学校外避難が必要となつた場合の手順等、今回発生しなかった事案についても、教員間での行動がすばやくできるよう研修の機会の充実を図ります。
D校内の放射線量について
 校内で定期的に計測している放射線量は、場所により差異がありますが、0.1〜0.2(μSv/h) 程度で推移しており、公表されている数値との大きな違いは確認されておりません。今後も線量 の推移については継続的に見守っていきます。
E生徒への情報提供について
 具体的な地震震災時の行動等については、生徒手帳(中学校140頁から144頁 高校144頁から148頁)に、「地震防災について」として記載しております。「地震発生後の主な緊急行動」「火災発生時の行動」「家族間の取り決め」「緊急時家族メモ」「NTTの「災害伝言ダイヤル171」」については、ご家庭におかれましても、今一度ご確認を頂き、引き続きご活用頂きますようお願い致します。
F下校時の路線確認
 本校では遠距離通学者も多いため、下校時、特に災害に弱い京葉線・内房線・外房線等については代替路線の対応を含め、帰宅出来る路線を確認し、集団下校に際しては地区割りで行う体制 をとります。

 2.夏の節電対応について

 基本方針として、学校の教育環境は従前通り維持することとし、熱中症等に配慮しながら無理な節電は行いません。但し、生徒会を中心に、節電意識を高めることで無駄な電力消費を抑え、15%の節電は履行する予定です。また職員室内の照明をLED化する等の省電力対策は随時実施していきます。なお、国による使用電力の制限期間は、七月一日から九月二十二日の午前九時から 午後八時までで、えんじゅ祭が行われる土日・祭日は対象外となっています。
@本校の現状
 本校の指定契約電力は、時間あたり464KW、削減後の目標電力(15%削減値)は、394KWとなります。現在予想されている電力使用の内訳は、下の円グラフをご参照ください。(全体では631K Wありますが、一度に全部を使用することはありませんので、過去の最大使用電力は464KWとなっています)
A本校の電力消費の特徴
 本校の一日の電力消費は、午前十時頃から増加し、ピークは午前十二時半頃から午後四時頃になります。空調・照明ともに講堂の電力容量が大きいことが特徴です。
B取り組みの概要
 学校としては、以下施策を実施予定にて、全体として15%削減は達成可能と考えています。照明については、廊下や踊り場等、教育活動に直接影響の無い箇所について、半分消灯する等の措置を行います。空調については、教室内の温度湿度状態を確認し、エアコンの設定室温を適度に保つようにします。使用しない部屋の空調・照明は切ることを励行します。OA機器等の待機電力については、削減に努め、トイレ並びに一部廊下の照明は、人感センサーに切り替える措置を行います。
 節電期間については、クールビズを実施する予定ですので、ネクタイの着用に関して、ご理解を頂きますようお願い申し上げます。なお、夏休み中に計画停電が予定された場合の登下校に関しては、HPとラインネットを通じてご連絡致します。

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平成23年(2011)7月23日改訂