えんじゅ:291号  


2016年度入学式

 

2016年度入学式


 去る四月七日、中学三十一期生三一五名、高校三十四期生五二名を迎えての入学式が厳かに執り行われました。  当日は、満開の染井吉野も驟雨の空に花びらを散らせるあいにくの天候となりましたが、多くのご家族にご参集いただき、どのホームルームも熱気に満ちた学校生活の初日となりました。  瞬く間に日々が流れ、桜盛りは八重に移り、また校庭の樹木は若い葉を茂らせて、新入生たちの初々しい違和感もとれた五月。野田研修やスポーツフェスティバルなど、自調自考生活での初となる行事の準備に余念なく、皆さん緊張の中にも充実の毎日を過ごしていることでしょう。順風満帆の船出に幸多かれと願います。
 

入学を祝して
副校長 田村


 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。今年も入学式当日が生憎の雨模様となり、記念撮影は二年連続で体育館となりましたが、翌日には晴れてクラス写真を桜と一緒に撮影出来たとのこと、ほっとしました。新入生の皆さんと一緒に学園生活をスタート出来ることを大変嬉しく思っています。  皆さんが送るここ渋谷幕張での中学高校生活は、無限の可能性を秘めています。「自調自考」の教育理念のもと、自ら考えてチャレンジすることを学校も応援していきます。自分の可能性を自分で広げ、夢を現実のものとすべく、これからの生活を大切にしてください。三年間、あるいは六年間のスタートですから、シラバスに目を通しながら、今一度、慌てず焦らずに考える機会にしてもらえればと思います。学校生活は授業、部活に加え、色々な行事があり、忙しいものです。与えられたことを着実にこなしながら、自ら積極的にチャレンジしてみてください。グローバルに広がり続けるこれからの世界、活躍する場は無限に広がっていますが、世の中の流れも速くなっており、そこで生きる人々には諦めずに何度でも挑戦し続ける姿勢が求められています。これから先の人生まで意識し、色々な経験、様々な友達の輪を持って、自ら流れを作り出すような大きな人間としての礎を築いてもらいたいと思います。皆さんそれぞれが、高き志と目標を掲げ、思う存分楽しんで充実した学校生活であったと、後々実感出来るものになることを切に願っています。
 

自分の生活を創る
副校長 松井


 入学おめでとうございます。  本校での学校生活に何を期待してますか。「勉強ができる」「部活動で活躍する」「友達もたくさんほしい」。たくさんあって良いのですが、そのためには、自身でも努力をしてください。多分、じっと待っているだけの人には何もしてくれないのが本校ですから。でも、自ら努力して頑張る人には、親切に、丁寧に援助するのが本校なのだという事を忘れないで下さい。  さて、勉強や部活、友達と、いろいろやりたい事を考えるとき、次の事がらも考えに入れておいて欲しいのです。その一つは、他の人々を思いやる心を育てて欲しいのです。それは、感謝であったり、配慮であったりするでしょうが、自身を取り巻く人々に対する思いやりです。場面はあなたの活動場面のすべ てにおいてです。二つ目は、机の上での活動から、実社会での活動への準備です。皆さんはまだ生徒で、机の上の勉強が必要です。ですから、専業で何かをするのではありません。準備のための経験として、いろいろな場面でボランティア活動をしてみて下さい。場面は身の回りにたくさんあります。でも、どの仕事も続けることが大切で、続けることで得られる貴重な体験が自信の基盤になるのです。  さて、三つ目は健康です。身体が弱くては何もできません。健康で元気な身体と、活動する意欲溢れる心を育て鍛える事です。場面は、自身の日常生活の中の全てにあり、これも長く続けて結果を得るものです。試練です。頑張って下さい。
 

キラッと輝く六年間に
中学一学年主任 本村


 入学式のときは冷たい雨に打たれ、満開の花びらを散らしていた桜が、今は青々とした葉を広げて生命力を誇示しています。一ヶ月がたったのですね。不安と緊張でこわばっていた皆さんの表情も、いつの間にか笑顔を取り戻しました。環境の変化を受け止め、言葉を交わし合える仲間が増えて、自分なりの生活の感触をつかみつつあるのではないでしょうか。部活動への加入も進み、Tシャツやユニホーム姿の上級生に混じって、少し大きめの真新しいジャージ姿の一年生が懸命に活動している様子に清々しさを感じ、思わず微笑んでしまいます。  今年の二月に講演していただいた、マイクロソフトジャパン社長で本校四期卒業生の平野拓也氏は、将来リーダーとして社会での活躍が期待される在校生に向けて、「人生において選択を迫られたとき、自分にとって困難が予想される方を選んで欲しい。そして自分の殻を破ってください。」とアドバイスしていました。大先輩からの愛情あふれる激励ですね。確かに、挑戦して失敗したときの恥ずかしさや悔しさは時間が癒やしてくれますが、挑戦することを諦めたことへの後悔は時間と共に増していくことも多いのです。  今、あらためて皆さんと出会えたことを心からうれしく思います。これからはじまる自立への六年間の長旅。皆さんの同伴者として側で過ごすことができると思うとわくわくします。様々な経験を共にし、共に学び、共に成長したいと思います。  よろしくお願いします!
 

計画のススメ
高校一学年主任 大平


 充実した高校生活を過ごすためには、必然的に上手な時間のやりくりが求められます。毎日の学習や部活動にその他の取り組みが加われば尚更のことです。限られた時間をどのように遣うかで、その成果は変わってきます。電車にはダイヤグラム、飛行機や船舶には運行予定があるように、円滑な社会生活にも計画は不可欠なものなのです。  計画を立てることに煩わしさを感じる人もいるかもしれませんが、それほど大変なことではありません。旅行や遊びに行くときには、誰でも計画を立てるでしょう。目標があれば、計画を立てることは難しいことではないのです。  もちろん、計画はあくまでも予定ですから、その通りに運ぶとは限りません。そこで計画の見直し、修正が必要になります。これが大事です。「この計画が上手くいかなかった原因は何なのか?どうすれば良いのか?」を考えることが成果に結びつくのです。修正は何度やってもかまわないと思います。最終的に自分の目標にたどり着けば良いのですから。  「自調自考論文」や「SGH」の取り組みが始まる高校一年生の今だからこそ、計画の重要性を伝えたいのです。今まで行き当たりばったりで乗り切ってきた人も、これからはそうはいかないということを肝に銘じておいてください。「明日は明日の風が吹く」などと恰好つけて生きていけるのは、映画や演劇の世界の話です。そんなライフスタイルが通用するほど現実は甘くないのです。