校長先生より



「槐祭によせて」 校長 田村哲夫

 今年も「槐祭」の季節を迎える。
 今年の「祭」のテーマは「二度と来ない青春を、今」。
 テーマを決める迄の関係者の苦労がなんとなくよく判る「テーマ」である。時代を覆う重苦しい閉塞感を若者達がどう打ち破り「突き抜け感」を演出するのか。その為に中高生の青春を感じられるようなものを求めてという気持ちがこのテーマとなったようだ。
 英国の歴史学者ホブズボームは20世紀を「極端な世紀」と名付け、「8千 年の歴史の終わり」と位置づけた。
 そして「21世紀」を「人類史上の最大の断絶点に近づきつつある世紀」と位置づけ、今は人類が「新しい存在に進化する」のか、「夜来たる」なのか の分け目に立っていると考える。そして青年には「この時代が必要とする思想」を手にいれられるかどうか問われている。
 「槐」のような祭りを私たちは「若者による創造的表現学習活動」の時間と 云っている。そして若者達は今日特に、そこでの共同活動に熱中し、人々に 共感を求める。これは丁度「オーケストラの演奏」によく似て、各パートの 共同作業が全体としての独特の雰囲気を生み、創造的効果を生み出す。
 今年も渋幕の文化遺伝子ミーム(進化生物学者リチャード・ドーキンス)が 見事に表出する「槐祭」。この中で「必要とする思想」を見つけ出せるのか。 とても楽しみにしている。

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