中国が世界の大国であることは、実際に訪問してみないと分からない。
古い文物が至る所にあり、半端でない歴史の重みに圧倒される。
街は朝から晩まで人があふれ、エネルギッシュに動き回っている。
新しい建築物が次々と建ち並び、有ったはずの建物は早くも取り壊され、
次の工事に入っている。変化のスピードも凄まじいものがある。
買い物をするにも駆け引き(戦争か?)がある。言葉を交わし合い、
初めて契約が成立する。全てが「生」のエネルギーに満ちているのだ。
中国と比べるとなんと目本は淡泊な国なのか。これを目の当たりにした
生徒は何を考えたのだろうと、胸躍らせて生徒の感想文に眼をやる。
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| | 万里の長城にて |
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| | 円明園にて |
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「街全体にこれから発展する国のエネルギーを感じつつも、経済発展にばかり
眼を奪われているようにも見える。環境問題まで考える余裕はないのかも
しれない。」「土産物屋の店員とのやりとりが面白い。中国人の生活する
パワーに圧倒された。」「無秩序なように見えるが、すれすれで事故が
起こらない不思議な交通事情。見えない秩序があるようだ。」「万里の長城、
兵馬俑、故宮の大きさに感動。」「高層マンションに住む上流家庭があれば、
街の地下道で物乞いをする親子がいるとは。貧冨の差をまざまざ見せつけられ、
衝撃を感じた。」
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「抗日記念館の展示を見学。日本人として悲しくつらかったが、過去の悲惨な
戦争に思いをめぐらせ、現在、そして将来の日中関係、アジアでの日本の立場
を考えさせれられた。」「西洋文化に染まっていない独特の雰囲気。日本も
他人の真似ぱかりでなく独自の文化を大切にして、本当の意昧での経済先進国
を目指すべきだ。」など、様々な意見を眼にした。多感なこの時期に、
日本とは違う事情の国を体感する意味が此処にある。
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| | 西安にて |
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| | 華清池にて |
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だが、中には食事の脂っぽさ、観光地の物売りのしつこさ、
愛想のなさをばかりを指摘して、日本と比較して、汚い、
まずい、最悪、といった感想もある。昼夜、中華料理で日本食
が恋しくなるのは当然だろう。素直な気持ちだとは思う。しかし、
日本を一歩出れば、その国の文化が有るのは当然だ。国土
も歴史も其処に住む人間も、島国の私達が想像もできない
スケールの大きさの国。だからこそ、中国には大国独特の雰囲気や
考え方がある。それをただの訪間者の私達が是非を判断し、
それが全てだ、とするのは少々軽率だろう。旅に何を求めるか、
が人によって違うのだと改めて感じた。
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いずれにしても、大きな事故も病気もなく、無事に帰ってきた。二団に関して
は大幅な変更がなく、予定通りの日程をこなすことができた。
以前に比べ食事もトイレも格段に改善されているとの事。今後
更に快適な旅になるだろう、ただ、観光用の待遇の度が過ぎると
現地の生活の匂いを感じられなくなるのではと、個人的には心配だ。
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