えんじゅ:140号

後期地区別保護者懇談会報告
校長 〜田村哲夫〜


 新世紀を迎えようと、時は速 さを一段と加えるかのように、 残り少ない日々は目まぐるしく 過ぎていきます。本年度の地区 別保護者懇談会を振り返り、保 護者の皆様のお力添えと、ご助 言に深く感謝し、あらためてお 礼申し上げます。

 情報が即時に伝わる社会の 「コミュニティー」の概念は、 従来の地縁的イメージではな く、広範な空間を共通項で繋げ るという発想が必要とされます。 懇談会はこのことを意識して、 学校を軸にお集まり頂き、地域 ごとの情報を共有して教育に生 かしていくことを目的としてい ます。

 ところで、この秋ノーベル賞 受賞者の大江健三郎氏とハロル ド・クロート教授の両氏をお迎 えし、本校の中学生を対象とし た「教育フォーラム」(主催読 売新開・NHK)の開催が実現 したこと、そのうえ高校サッカ ー部が、学校創設以来初めての 全国大会出場を果たしたこと、 この2つの大きな夢をかなえて 学校内外が大きな喜びと感動に 包まれ、20世紀最後を飾る、 うれしいご報告ができました。

 例年この時期は、大学全般の 動向についてお伝えし、進路選 択の参考にして頂いています。

 大学全入時代のユニバーサル 化に伴い、大学入試の多様化が 進み、受験料日の削減、推薦入 試の拡大、AO入試などの選抜 方法を工夫する大学が増えてき ました。しかし、本位生徒の目 指すハイレベルの大学では従来 型の入試が行われ、厳しい競争 が予測されます。今の日本では 大学で「何を学んだか」よりも 「どこの大学を出たか」が重要 視されています。このことがそ の後の人生について回る社会的 序列づけに繋がり、「進路指導」 に重きを置かざるを得ないので す。

 本校としては、生徒の置かれ る状況を考慮して、来年度から 「授業5日制」(学校5日制とは 違います。)を実施し、新シス テムで対応します。100分授業を 組み入れ、授業対する意識改革など、教育内容の質を充実さ せ、効果のある方策を立て 「学ぶ力」をしっかりと動機づ けていきます。

 「教育改革国民会議」につい ては、教育の抜本的見直しを議 論した最終報告について、あら ためて解説をする機会を持ちた いと思っています。

 これからは、学校・家庭・地 域が、信頼と協調のネットワー クを創造力をもって築き上げて いく時代だと考えています。


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平成13年(2001) 1月23日改訂