えんじゅ:147号校長先生講話 |
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「自調自考」を考える(そのC]]]T])幕張高等学校・附属中学校校長田 村 哲 夫 |
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本年も、学園最大の行事であ る「槐祭(文化の部)」が無事 終了した。テーマは「渋幕の内 弁当〜具がいっぱい」である。 創造的表現学習活動として大 きな成果を挙げて いる「槐祭(文化 の部)」は、今年 も7000人にも及ぶ 多くの参観者を受 けて、大きな「創 造と感動」を生み 出してくれた。 直前9月11 日朝に起こったニ ューヨーク(国連 本部のある)での 「同時多発テロ」 事件に対し、国旗 及び校旗を半旗に 掲げ、弔意を表しながらの「お 祭」であったが、その内容には 素晴らしいものがあった。 中3学年演劇・演劇部・吹奏 楽部・室内楽部、そして音楽部 の充実に感激し、理系・文系の 各活動、クラス参加、美術や書 道の両部の展示には目を奪われ た。更には日本伝統の茶道部お 手前や国際色豊かな国際部展示 と世界選手権優勝のドリルチー ム・クッキング部・図書委員会、 そして例年のように特色ある歓 迎門等々まことに見事であった。 ポスター・パンフレットの素晴ら しさ。そしてパンフレットの追加 印刷で参加した「カンボジア対 人地雷支援活動」(アキラ氏援 助)。21世紀を支える中高生 にとって最も相応しい地球社会 の平和・ボランティア活動とし て朝日新聞で紹介されたが、今 回テロ事件で騒然としたなかで の槐祭の一服の清涼剤となった。 さて「21世紀最初の新し い型の戦争」と云われる「同時 多発テロ事件」(9月11日)は 我々にいろいろと考えさせるきっ かけを与えた。17世紀の思想 家ホップス(英)によって指摘 された国家像リヴァイアサンは、 近代社会の形成のなかで、絶対 不可侵の自己保存権と併存して、 絶対不可侵の民族国家という形 で成立し、ナショナリズムやパ トリオティズムの内容を規定し た。その世界での戦争は民族の 存亡を掛けるものと考えられた。 処が「事件」は、地球社会で の最強の国家であり、多民族国 家である「アメリカ」で、又地球 社会の国家群の象徴である国連 のある「ニューヨーク」で起き た。まさに、新しいタイプの戦 争=宗教間、文明間或は南北間 のといった様々な勢力の間の戦争 が起きたということなのだろう。 こうした社会=つまり21 世紀の社会での人間の生き方に は次のような「力」が必要とな る。どのような状況にも対応出 来る多様なそして柔軟な発想・ 思考様式を持ち「自分で考える カ」を発揮出来る、しっかりと した強い個性を持つこと。まさ に「自調自考」精神である。 そして、同時に「自分が社会 の中でどのような位置にあり、 社会の為に何が出来るかを知っ ている、又は知ろうと努力して いる状況」に自分の身を置くこ とが求められるのである。 「知識」というものを自分を より良く変化させ、社会との繋 がりのなかで意識することを 「教養」と云う。時代はまさに 新しい「教養教育」を求めてい ると考えるべきであろう。 「槐祭」と同時期に発売された 「アエラ」に紹介された記事「待 ってみるカ」(自分の木の下で・ 大江健三郎)はこのことを指摘 している。(続・教養について)
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