えんじゅ:150号
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お正月を迎えると、人はいろ いろと心を動かすようです。 寂しさの匂う歌を多く詠んだ 西行も ”梅が香にたぐへてきけば うぐひすの こえなつかしき春のあけぼの” のように、初春に心をときめか しています。 本居宣長の子、春庭は ”かくばかり多くの年は つもれども 猶数ならぬ我身なりけり” と、あれほどの国学者でありな がら、学問の大成ならない自分 だと嘆いています。 そして虚子は ”春風や闘志抱きて丘に立つ” と、やる気満々と地平を見つめ るのです。 1998年の歌会始めで中学 3年生の短歌 ”新しき羽を反らして 息づける 飛翔間近の青スジアゲハ” が披露されました。 そのまさに青スジアゲハの如 き君たちの脱皮を願って次に、 金子みすずの「私と小鳥と鈴と」 を紹介します。
どうです。金子みすずの澄んだ 心は、”みんなちがってみんない い”と、すべての物の存在に、 その物だけの持つ価値を認め、 それを良しとし、きっぱりと、 いいと言っています。 そして今、アフガニスタンで は、多くの人の生命が奪われ、 多くの物が失われようとしてい て私の心は痛みます。それだけ に、みんなはちがった、自分だ けの花を咲かせて欲しいのです。
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「先生、昨日授業で開いたこ と、○○の本で読んでみました。」 そんな話を聞くと嬉しくなりま す。中学生時代は一番何でも吸 収できる時期です。アンテナを あちこちに張りめぐらし、何に でも興味・好奇心をもって、本 を読んだり、人の話を聞いたり してほしいと思います。「不思議 だなあ」「なぜだろう」という気 持ちをもって物事を見つめる感 性を磨くことは大切です。 中には、そういう好奇心を持 ちながら、普段の学習では今ひ とつ伸び悩んでいる人も見かけ ます。でも、引き出しをたくさ んもっている人は、いつかそれ が花開くときがあるので、自信 をなくさないこと。ずっと、好 奇心のアンテナに肥料をやり続 けてほしいと思います。そして、 1つだけでもいい。自分はこう 思うということを見つけだすこ と。レッツ チャレンジ!
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木曽の紀行文に多くの人が書 いていた地元の人との関わり、 自然、ゆっくりとした時の流れ。 日々の生活とは違う場所に行っ て感じる何かは、その場所に立 たないとわからない。 側溝を流れる水の音、ひっそ りとした家並みの奥からわずか に聞こえる話し声、空気の流れ と料理のにおい。駅からのわず かな距離の中にさえ木曽福島で 暮らす人たちが感じられる。 浄瑠璃寺のひんやりとした静 けさの中に座して、仏像を見つ めていた昔の生徒たちを思いだ す。今また、五感で味わえる旅 の良さを知ることは受け継がれ た。あらかじめ調べた知識が感 覚をより鋭くすることも。 生徒の皆さんと共に知識を深 め、体験を深めて、この1年間 毎日続く「旅」がお互いにとっ て面白く、発見に満ち溢れたも のになることを願っている。
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今春、高校生になる中3諸君 よ、これからは1人の時間を多 くとってもらいたい。 今までの3年間で、生涯の友 も数多くでき、学校生活も日々 友人中心で楽しく送れているに 違いない。友人との明るい笑い 声が響いてくるので、そのこと がよくわかる。でもよく考えて みよう。友人とは授業中も休み 時間も一緒、姿が見えなければ 携帯で連絡をとりあい、部活で はまた別の友人がいて、家では メールのやりとり。奈良でもニ ュージーランドでも友人と一緒 の班でないと安心できない。こ れでは、友人と一緒でなければ 何もできない自分というものを 造ってしまってはいないだろう か。友人を遠ざけろと言いたい のではない。これからは、自分 自身を見失なわない為にも、1 人で考えたり、行動したりする時 間を大切にしてほしいのである。
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