えんじゅ:150号

高校副校長・各学年主任年頭言

年頭にあたって   高校副校長  阿曽

 新年おめでとうございます。

 今年も諸君にとって、大きな 発展の年でありますように。

 新聞で、ある雑誌の新年号の 巻頭を飾る谷川俊太郎氏の詩が 紹介されていた。それは、

 「いつもの新年とどこかちが うと思ったら/今年はあかんぼ がいる」ではじまる。

 偶然のタイミングであるが、 これは谷川氏のお孫さんのこと で、しかも女の子なのだという。

 「あかんぼがあくびする/び っくりする。あかんぼがしゃっ くりする/ほとほと感心する。」

 無垢な生命の参加にあたって、 祈りにも似た思いで一挙一動を 見守る家族の思いは同じである。

 昨年末の内親王さまのご生誕 でも、国民ひとしくその思いを 共有した。沈うつな世相に耐え ている時だけに、一層そのよろ こびを共にしたのであった。

 谷川氏は詩の中でこうも云う。

 「だがお前さんもいつかはば あさんになる/それは信じられ ぬほどすばらしいこと うそだ と思ったらずうっと生きてごら ん」と。

 あかんぼの成長こどもの成長 は早いが、現在の中高生が年を 重ね、やがてじいさんばあさん と老人扱いされるようになるま で、約60年の年月がある。

 60年、この時間の道のりは、 希望と期待をもって見渡せば、 無限とも思われる行く手である が、顧みるときは「邯鄲一炊の 夢」などと短く言われる。また 誰しも平坦無事を願うものの実 際は紆余曲折は避けられない。

 しかし、そうであればこそ、 成熟という観点から見るならば その道のりは「信じられぬほど すばらしい」ものなのである。

 諸君はいま、確実にこの60 年コースを歩んでいる。

 長いとも考えがちな人生を短 く年ごとに区切って、年頭を祝 うとともに、新たな経験を加え た出発に臨む。これが「すばら しさ」に至る知恵なのであろう。

着実な歩みを   第1学年主任  高橋

 高校1年生にとって昨年は、 新しい仲間や先輩との出会いが あったり、新しい経験をしたり したことでしょう。今年はそれ をもとにして、さらに飛躍の年 にして欲しいと思います。

 4月からは2年生になり、学 習面ではそれぞれのコースに分 かれて授業を受けることになり ます。自分が選択したコースや 科目ですので、自分なりに精一 杯努力して将来の目標を実現し てください。学習面で不安感を 持っている人もいると思います が、決してそのままにせず、そ れをバネにして頑張ってみてく ださい。自信満々でいる人より 自分の弱点をしっかりと自覚し て、それを克服するために努力 する人の方が、最後には実力を 発揮するものです。すぐに良い 結果に結びつかないからと諦め ることなく、マイペースで着実 な歩みを続けてください。

年頭に寄せて   第2学年主任  池口

 夢多きはずの新世紀幕開けの 昨年。そのトップニュースが、 アメリカにおける同時多発テロ とそれを契機とするアフガニス タンでの戦闘であったというの は、何とも無惨なことでありま す。前世紀末の閉塞感からの解 放を期待していた私たちは、頭 から冷水を浴びせられました。

 何ガ起コルカワカラナイとい う不気味な不安感の中での年明 けであります。しかし現実の前 で徒に立ち疎んでいるばかりで は価値ある何事も始まりません。 こんな時こそ1人1人が、状況 に流されず、それぞれのなすべ きことを正しく認識し、それを 冷静に着実に実践していくこと が特に求められるのでしょう。 そうした営みが、やがては現在 の難局を解決する人類の叡智に 繋がるものと信じます。

 理想に向かって健康で意思的 な日々を過ごされますように。

学ぶこと   第3学年主任  添田

 新年おめでとうございます。

 高3の諸君の多くは、今頃、 寸暇を惜んで勉強していること でしょう。学ぶことの奥深さ、 自分のものにすることの大変さ を改めて感じているかもしれま せん。受験勉強は直に終わりま す。ピリオドは自分で打てるわ けです。しかし、学ぶことはい つまでも続きます。それは、学 ぶことは悟ることだからです。 自分を理解し、周囲とのつなが りを考え、更に社会にどう貢献 していくか、そのイメージを創 りながら学ぶことが悟りなのだ と思います。生き方を模索する から学ぶことは意味を持ってき ます。今後、君たちが困難を乗 り越え、夢を実現しようとする とき、単なる知識の集積に終ら ない学び、すなわち悟りがきっ と大切になることでしょう。そ ういう勉強を受験の後に実現し てくれることを期待します。


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平成14年(2002) 1月10日改訂