えんじゅ:158号

進路講演会
− 11月28日(木) −  講師 齋藤 孝 


 「声に出して読みたい日本語」、「三色ボールペンで読む日 本語」等の著者で高名な斎藤孝先生を講師にお招きし、11月 28日に進路講演会を行いました。中1から高2までの生徒 および400名余の保護者を対象に、「社会で求められる『3つ の力』とスタイル」という演題で、エネルギー溢れるお話を聞 くことができました。

 本講演会は、自らの進路(生き方)を模索している生徒に、 何らかのヒントを与えられないか、という主旨で始まったもの です。ですから、講師の先生方には、自らの中学・高校・大 学・社会それぞれの時代の分岐点での進路決定(身の振り方) にあたり、その時何を考え、どう決断して現在があるのかを講 演の中に織り込んでいただけるようお願いしています。齋藤先 生は、法律の立場から教育を変えようとのお考えで、法学部へ の進学を考えられたとのことでした。大学時代からかなりの間 は、「かったるい」時代が続いたようです。その後、いろいろ な経験を経て、法律とは異なる世界である、教員を志望する生 徒を現在大学で教えられています。と同時に、周知の通り、活 字媒体を使い自らの考えを紹介されています。

 さて、何と言っても印象に残る話題は、演題にもなっていた 「3つの力」に関するお話ではないでしょうか。「3つの力」 とは、「コメントカ(要約力・質問力)」、「段取り力」、「(技・ 方法を)まねる・盗む力」です。これらは、それぞれ「こと ばの次元」、「活動の次元」、「からだの次元」に対応するものな のだそうです。一方で、文系/理系、遊び/勉強、手仕事/頭 脳労働といった二項対立的な思考がありますが、先生によれば、 「この考え方は便利なものだが、固定的になると、上達を妨げる 有害な図式になる」ものなのだそうです。それを乗り越え、 「生きる力に直接つながる上達の普遍的な論理を身につける」 という視座を提起したものが、「3つのカ」なのだそうです。

 本公演で、みなさんはどんなことを進路模索の「ヒント」と して受け止めたのでしょうか?

 斎藤先生は、将来は理論を実 践する場として学校を創りたいとの夢があるのだそうです。


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平成15年(2003) 1月 7日改訂