「百聞は一見に如かず」異文化体験において、やや使い古された感すらあるこの表現であるが、やはり今回の中国修学旅行についても、生徒たちにとってはぴたりと当てはまるものであったことだろう。
近年、SARS 問題をはじめとするいくつかの懸念事項を抱えていた上に、下見の予定が入っていた 5 月の段階でのデモ行動に見られた反日感情の高まりと言った報道により、一時は催行すら危ぶまれた時期もあったが、慎重な見学場所の吟味など安全確保を第一とした行程により、無事成功裏に終わることができた。
北京、西安、上海と、中国の歴史と将来を象徴する 3 都市をめぐり、生徒たちは様々な角度から、我々のすぐそばの大国が持つ力、これからの可能性をその目で、肌で感じ取ってきたことだろう。それぞれの見学地で見た圧倒的なスケールの建築物、それらが持つ歴史的な重み、最新の技術の輝きだけではない。バスでの移動中、車窓から目に飛び込んでくる地元の人々の日常。見学地で、一本外れた道に座り込んでいる人々、観光客と見るやすぐに近づいてくる物売りの人たちの姿。表向きのものだけではない、これもまたリアルな中国の姿に考えさせられた者も少なくなかったはずである。
「中国の食事は口に合わないから」毎年の申し送りのような先輩たちからの伝え聞きによって心配顔だった生徒たち。彼らのうちでどれだけが明るい表情で円卓を囲んでいたことであろう。
この旅行の前に中国に抱いていたイメージ、旅行を通して感じたものを、今一度比べてみてほしい。君たちが実際に感じ取ったもの、それが君たちにとっての「本物の中国」である。そしてもう一つ、その、君たちが今回感じ取ったものがいいものであれ悪いものであれ、それを「よりいいもの」に変えていってほしい。それぞれの年で感じ取った中国の大きなエネルギーは、間違いなく未来へと向かっている。その未来において、中国は間違いなく君たちの世界により関わってくるであろう。この修学旅行で刻んだいい思い出をスタートにして、さらに広い世界の理解を深めていってもらいたい。
修学旅行を終えて 高校 2年 岡本
中学入学以来の研修の集大成とも言える今回の修学旅行は、春先のデモなど不安を抱えながらのものであったが、無事、終えることができた。「異文化体験」をテーマに、北京・西安・上海を巡ったのだが、そこで見たものはどれも、まさに異文化と言えるものばかりであった。中国が誇る大都市、上海の街並は超高層ビル群が広がり華やかで美しく、北京郊外の万里の長城から眺める大自然は僕らを圧倒した。
もう高校生活も終盤である。この中国修学旅行は僕らにとって確かに忘れられない思い出となったはずである。
中 国 高校 2年 岡田
中三のNZホームステイ以来の海外。中国は、歴史上最も日本と関係が深い国であり、日本とは比べものにならない程歴史のある国だ。今回の修学旅行で訪れた場所でも、古代より続く人々の営みを肌で感じることができた。
反日デモ等で出発が危ぶまれたせいもあって、現地では地元民の視線を気にすることが多かった。しかし、観光地で出会う人達やお店の人などとの触れ合いの中、互いの国の間になおいさかいが残ることに悲しみを覚えた。日本側も中国側も、互いに理解し歩み寄ることで、良い関係を築いていけたらいい。
(研修委員会のアンケートより)
@ 人気の高い見学地ベスト3
(共通見学地) (選択見学地)
第1位 万里の長城 東方明珠
2 雑技鑑賞 天壇公園
3 上海夜景 碑林博物館・豫園
A 旅行中の体調は?
GOOD 179人
BAD 127人
B 本場の中華料理は?
美味しかった 164人
普通 9人
いまいち 85人
C 旅行中に使ったお金の額
平均460元(約6900円)
◎首都だというのに中心街でも夜は薄暗い。街路も、路線バスの中も。住宅からもれる光も弱い。オイルショックの時の日本の比ではない。
トイレも洗浄がセンサー式ではないためか、必ずしも快適とはいえない。
バスの中は蒸し暑く、外の方が心地よい。
京都議定書を批准した日本では、ドイツのような徹底したリサイクルも行われず、クールビズも申し訳程度で、電車は窓もなく、窓があっても昔のように開ける人もいない。寒いくらいの空調。
中国を通して、人工保育器の中で生活している日本人の脆弱さが露呈した。
帰国の日、有人宇宙船の打ち上げのために上海空港で二時間余り足止めされた。この日の前日、中国共産党の全体会議において、十年で国民一人当たりの国内総生産を 00 年の倍にすると同時に 20% の省エネをめざす方針が採択された。しかし、中国の現状は、貧富の差が拡大し、計画経済を懐かしむ狂歌が増え、暴動も六万件起きているという。
快適さを求めて負の遺産を残さないようにしたいものだ。
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