えんじゅ:185号


高1長崎研修
10/10〜12

        


 

 

 秋天好日の下、高校一年生の 長崎宿泊研修が無事に実施され ました。長崎の宿泊研修は、本 校として、初めての試みとなり ます。古くからの国際交流都市 であり、被爆都市でもある長崎 は、南国の爽風と陽光に彩られ た穏やかな相貌の底に深く多様 な歴史を有していました。
 初日は福岡空港から、有田・ 唐津・吉野ヶ里・太宰府の中で 希望するコースを選び、異郷の 風物を堪能して長崎に向かいま した。夕食後は稲佐山から夜景 を鑑賞。他とは異なる立体的な 夜景に驚いたようです。二日目 は、一日をかけて自主研修をし、 長崎の街に刻まれた時の重みを 探し出し多くを学びました。 夜、四人の被爆者の方を、お招 きして行われた体験講話では、 人為による巨大な暴力の爪痕と 平和を希求する強い意志を、真 摯な姿勢で学びとろうとする意 欲が見られました。
 三日目、帰途につく生徒の面 差しが、いつもより陰翳濃く見 えたように、感じられました。


「陰と陽と、その類」
1年 浅野

 現実に散りばめられた非現実 を拝見して来ました。其処には 確かな平和と太陽が在りました。 でもその非現実からは見間違い 様も無い現実が顔を出して居ま した。其処には確かな悲鳴と雑 踏が在りました。  長崎に私共が居た三日間は…… 二〇〇五年でした。良い天気 でした。心地よくて笑顔になれ ました。そう軽く言える私を赦 して下さい。  長崎の広い空が見せてくれた 秋晴れの清々しさは、神聖なも のが持つ輝きと手作りのものが 持つ温かみを両方備えて居まし た。六十年前の残虐な思想に夢 を見出した時代などに同じよう な晴れた日があったと思いたく もありません。表情は違っても、 同じ空から原爆が落ちてきたと すら思いたくありません。何と 言うか……長崎は優しい街で した。
 時間とは所詮薄っぺらいもの で、其の都度、陰と陽が織り込 まれて厚くなっていくものらし いと、漠然とした何かを感じて 帰って来た私は「無知」から一 歩遠退きました。
 嬉しいと言って笑ったり、悲 しいと言って泣く様な当たり前 のことが意外と人間素直に出来 ません。でも其れは贅沢な我が 儘で、現代とは恵まれた時代な のですから、今自分が此処で呼 吸している事に感謝します。そ う必然的に感じられました。
 戦争も原爆も嫌いです。でも 長崎で見た様な平和を作り得る 人間は、好きです。平和学習な んて格好良く言うけれど…… ただ其れだけの事なのです。




渋谷教育学園国際テレビ会議活用プロジェクト




 

教育情報化推進部部長  笹川  

 9月26日(月)、この日は、 渋谷教育学園にとって歴史的な 一日となった。生徒の交流がな かった幕張校、渋谷校、早稲田 渋谷シンガポール校が、TV会 議で結ばれたのである。
 継続的な学校交流を行って いくためのモデルの設計をし、 お互いを理解することから、顔 の見えない交流(掲示板)を実 施し、意識を高めた。その際、 言葉だけでは、生徒のスキルの 違いから、交流が止まる疑義が 持たれたため、フォトレターを 活用した。また、実践モデルで は、交流が、教師主導から生徒 主導に変化していくことにも配 慮した。そして、今回のTV会 議を迎えた。
 会議では、パワーポイントに よる相互のプレゼンテーション が容易にできるi-Collabo.Liveを 活用し、それぞれの学校から、 「日本在住の日本人と海外在住の 日本人の価値観、生活の違いに ついて」というテーマについて、 プレゼンテーションを行った。 その後、議論を展開した。 平日の放課後で、時間の制限が あり、途中で終了したが、一応 の成果を得た。次回、第2回の 会議は、11月19日(土)を 予定している。
 積極性・自主性・社会性の育 成につながる「コミュニケー ション」の機会創出は、教育現 場において、重要な課題であり、 「学外の知の活用」を参加生徒 に期待している。




創立六十周年記念
三十三回ユネスコ総会に参加して





 
校長 田村哲夫

 今回、私が日本国政府代表顧 問として参加したユネスコ United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(本部パリ)は、 教育、文化、科学技術分野での国 連の下部組織の機関で、日本人が イニシアティブをとっている。 松浦晃一郎氏(前駐仏大使)が 事務総長。加盟国は181カ国。
 第一回創立総会でのアトリー 首相(英)の演説の一節「戦争 は人の心の中で生まれるもので あるから、人の心の中に平和の 砦を築かなければならない」 は、あまりにも有名で、これは そのままユネスコ憲章前文に使 用されている。
 総会は二年毎に開催され、終 了後「国際規範文書」が採択、 公示される。
 今回は、五日(水)に開かれ た60周年記念式典は別として、 十月三日(月)午後、三十三回 総会が開かれ、四日以降開かれ た第二委員会(教育)に私は参 加し、日本政府の主張を述べ、 討議に加わった。委員会はこの 他第三(科学)、第四(文化)、 第五(コミュニケーション)が あり、まとめに各国大臣円卓会 合が開かれた。
 主要議題は、「アンチドーピ ング条約案の審議、採択」「生 命倫理の一般規範宣言案の審 議、採択」「文化多様性条約案 について」であった。このほか、 わが国にとって重要な「松浦事 務総長再選」があって、大変多 彩、重要な項目が審議された。 特に「文化の多様性、アイデン ティティの尊重条約」は、米国 の強力な反対があって真剣な議 論が各国間で交わされ、正直面 白かった。
 私は第二委員会中心に出席し たが、60周年記念式典に出席が 許され(各国3名)、松浦事務 総長演説(仏語)、独の新任大 統領演説(独語)、アフガニス タンのカルザイ大統領演説(英語) の他、フランクフルトシンフォ ニーによる第九(ベートーベン) の演奏(人類の共有財産としての 文化)が印象的であった。
 又、「国境を越えての高等教 育の質の保護」「全ての人に教 育を=ダカール宣言の実行=」 等の議題もあった。全て国連共 用語(英・仏・西・中・露・ア ラビア語)のみ使用で、最近来 日したワイツゼッカー(独前大 統領)の「21世紀、若者は、自 国語、英語の外、一ヶ国語は使 えるように」との発言が身に沁 みて、本当にそうだと思った。
 又、パリでの今回の政府代表 団中に、渋幕九期生の渡辺君が いて(外務省フランス語)大変 お世話になったのも、よい思い 出となった。
 最後にこうした国連機関で働 く国際公務員に日本人が少な かったが次第に増えていること、 現在は英語で受験なら国連A級 が最低条件で、約百倍の競争率 だそうだ。世界の若者が目指す 職業の一つのようである。




NZとの交流十五年間の成果実って
「馬場賞」受賞!





 
 第十六回国際理解教育奨励賞 「馬場賞」(国際教育交流馬場財 団主催)を本校が受賞した。同 賞は小、中、高等学校の優れた 国際理解教育の実践校に対して 授与される。本年度の受賞校は 全国で三校、県内の私学として は初の受賞である。
 研究主題は、幕張中学校・ ニュージーランド「ワイカト・ ウェリントン地区」の教育交流 十五年---海外研修から国際交流 拠点校へのあゆみ。中学校開校 以来の歴代の生徒の積極的な参 加と努力、それぞれのホスピタ リティーの精神に支えられ、献 身的な応対をして下さった日本 の受け入れ家庭の皆様、NZ側 の協力の賜物である。
 十月二十一日、霞ヶ関の法曹 会館で授賞式が行われた。本校 からは田村副校長先生と今井国 際教育部長が参列し、賞状と副 賞が授与され、副校長先生が謝 辞を述べた。
 本校では授賞を記念して本校 図書館に「キーウィ文庫」を 創設する。NZに関する本のラ イブラリーなので、NZに関心 がある生徒の皆さんの利用を期 待する。


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平成17年(2005)11月30日改訂