西暦二〇〇七
年、平成十九年、
丁亥の年を迎え
る。
丁は陰陽五行で
「火」性の「陰」。
灼熱の太陽ではな
い、ほのかな火を
象徴する十干の四
番目。亥は十二支
の十二番目。その
意は「とざす、と
じる」。万物が枯
れはて、生命力が
種子の中に閉ざさ
れた様子を表す。
動物では猪が充てられる。六
十年前の丁亥の年、六三制がは
じまり、教育基本法が制定され
た。今年その教育基本法が改訂
され、日本の教育界は、グロー
バリズムとローカリズムの新し
い世界ヘスタートしようとして
いる。太陽の如き大きな理想と
共に、しっかりと足元を照らす
火を大切にして、自分達の毎日
の生活を築き上げていきたい。
今年こそ「脚下照顧」で。
「人と超人」という作品で有
名な劇作家バーナード・ショー
(英1925ノーベル賞)はその作品
でピグマリオン効果と言われる
教師期待効果をよく取り上げ
た。映画化されミュージカルと
して上映され有名になる「マ
イ・フェア・レディ」は、下町
訛りの英語(コックニィイング
リッシュ)しか喋れない花売り
娘を上流の貴婦人に育てる話の
筋をユーモアたっぷりの劇に仕
立てているが、その内容は「ピ
グマリオン効果」である。
ギリシャ神話にて、キプルス
島の王ピグマリオンは、象牙の
女性像ガラテアを作り、その像
の美しさに恋し、愛と美の女神
ヴェヌス(ビーナス)に「彫像
を処女に変身させること」を祈
り聞き届けられる。(転身物語
オウイデウス)
教育上の「ピグマリオン効
果」はこのギリシャ神話をふま
えて論ぜられている。
教師の期待行動が生徒の達成
動機に影響を与え生徒の成績向
上につながることがあるのか。
そうならば、生徒の側が何らか
の要因で変身したことになるの
だろう。
ピグマリオン効果における生
徒側の要因は何だろう。これを
考えるに参考になるのは「ヒュ
ーマン・リレーションズ理論」
の基礎となった「ホーソンの実
験」がある。
この実験では「労働日数、労
働時間、休憩時間、出来高払制、
間食の支給制等」の可変的作業
条件を様々に変化させながら、
作業能率にどのような結果を及
ぼすかが調べられた。不思議な
ことに、実験期間中、常に生産
高は増加の一途をたどるという
結果が出た。
その要因は、大切な調査実験
を担う選ばれた人々であるとい
意識にあったことが判明する。
それぞれの勤労意欲・士気すな
わちモラールの高まりこそが生
産性向上に最も重要であること
がこの時発見されたのである。
(1927、メーヨー・レスリスバー
ガ両博士ハーバード大)
教師の期待と熱意(ピグマリ
オン効果を生む)に応えて、生
徒側が勉学への意欲と士気・モ
ラールを高めることで想像もつ
かぬ結果が生ずるのである。
自調自考生どう考える。
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