えんじゅ:204号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCXCV)


幕張中学・高等学校校長

田 村 哲 夫


   「槐祭」が終了し、校内の熱気 と集中が収まり、一転静かな二 学期の学校生活に戻った。
 今年の塊祭テーマ 「Re:祭 来る」。二日間で来校者数約 一万二千人は史上最高であり、 学校への期待の大きさを示すものと して、私達関係者一同一層気の締ま る思いを強くしている。'76年進化 生物学者リチャード・ドーキンスが 提唱した「ミーム/Meme」(文化 遺伝子)として、この学園祭が役割 を果たしていることが実感される。 これからも「槐祭」が、渋谷幕張の 伝統により創られた学校文化の伝い 手としていよいよ活躍することを望んでい る。
 環境問題に人類社会が具体的 提案として示した「京都議定書」 による二酸化炭素(CO2・温暖化 ガス)削減計画の実施が間近に せまっている昨今、そして実施 計画達成の為には、何よりも一 人一人の環境意識の徹底、省エ ネ家電の普及といった個人の行 動がいよいよ重要になっている なかで、「槐祭」の今年のテーマ は、催し物全てにいきわたり見 学者を含めて参加者全員に「環 境問題」 の重要さがアッピール 出来たようだ。
 「Re:祭来る」「環境問題・持 続可能な社会の実現」という統 一されたテーマの下、今年も「自 由な活動と調和」という私達の 学校文化は見事に花開いたとい う感想である。
 ところで、'07年度を目標にし て、二十一世紀に生きる子ども 達の教育の充実を図るため、国 の教育課程の基準全体について 見直し作業がすすんでいる。
 つまり、各学校において編成 される教育課程の基準である学 習指導要領を書き直す作業がは じまっているところである。
 私自身、文部科学省の中央教 育審議会の委員として、又教育 課程部会の副部会長として、昨 年来この作業にかかわって来た。
 改訂の理念は、知識基盤社会 の時代と 「生きる力」 である。
 現在の中高生の生きる社会 (21世紀の)は、そのあらゆる分 野で新しい知識・情報・技術が 活動の基盤として飛躍的に重要 性を増す「知識基盤社会」 の時 代を迎えると考えられている。
 その特質として@知識には国 境はなく、グローバル化が一層 進むA知識は日進月歩。競争と 技術革新が絶え間なく生まれる Bその為幅広い知識と柔軟な思 考力に基づく判断が一層重要に なるCそして性別や年齢を問わ ず参画することが促進される。
 ここで求められる「個人」は、 読書などを通して自己と対話し ながら自分自身を深める努力と 一方積極的な「開かれた個」と しての意識=他者や社会、自然 や環境とともに生きる共生=を 持つことが必要である。
 変化が激しく、新しい未知の 課題を試行錯誤しながらも対応 しなければならない複雑で難し い時代を担う為には、一人一人 がしっかり「生きる力」を身に つけている必要がある。つまり 基礎基本を確実に身につけ自ら 学び、自ら考え主体的に判断し、 他者を思いやり感動する心、た くましく生きる為の健康や体力 を身につけておかねばならない。
 自調自考生達。どうですか。
 

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平成19年(2007)11月16日改訂