えんじゅ:211号


中3ニュージーランド
ホームスティ研修

  


今年の中三ニュージーランド研 修は三月七日から二十一日にかけ て、一一百六十五名の参加で実施さ れました。  ワイカト地区七校百八十二名 ウェリントン地区六校八十三名に 別れ、現地の家庭に滞在しながら 研修校の授業に参加しました。ま た校外学習や観光を通して異文化 理解を深めました。  スタートは緊張の連続でした。 親元を離れての生活にとまどい勇 気を持って英語で話しました。し かし、あっという間に現地の生活 に溶け込み、充実した二週間はす ぐに終わりに近づきました。言葉 にするには難しい、大きな何かを つかんで帰国しました。この体験 をこれからの高校生活に生かして ほしいです。

手紙  佐竹(高1)


 ニュージーランドから帰って きてから三週間たった日、ホス トから手紙が来ていた。私が 送った手紙の返事だった。  私は、日本のお土産に、色紙 にホストファミリーの名前を漢 字で書いてプレゼントした。と ても気に入ってくれて、今は キッチンに飾られている。飛び あがるほど幸せな気持ちになっ た。  その後には、私が日本に帰っ て、さびしくなったと書いて あって、じーんときた。ホスト ファミリーには、農場や海に 連れていってもらいとても楽し かった。そのことを思い出して 急にホストファミリーのことが なつかしくなった。  たった二週間のプログラム だったけれど、それがきっかけ になって、ずっとこの関係が続 いていけばいいなと思った

ウェリントン  水谷(高1)


 今回NZに行って、僕は様々 な事に驚かされることになっ た。  当初、僕は言葉が通じるか どうかという事のみを考えてい た。だが、実際に海外に行って みると、言葉よりも大きな、生 活習慣の違いという壁にぶつ かった。  特に時間に対する考え方には 驚いた。僕のホストファミリー の家には時計がなく食事の時間 もまちまちで朝も時間など気に せず非常にゆったりとしてい た。最初はとまどったが、次第 に慣れてくるとこんなリラック スした生活もあるんだなと思っ た。  異文化の中で生活してみる と、日本の良い所や悪い所が結 構見えてくる。このようにして 日本を知り、外国を知る事が、 校長先生のおっしゃる 「国際人 としての資質を養う」 ことにつ ながるのだと思った。


イギリス研修
            




   

引率 今井


 今年は特に、生徒が語学研修の 意義を実証してくれ、更にロンド ン・パリの見学でもガイドを驚か す程真剣に学んでいた。

   
高二 藤原


     これ程「見られている」事を意 識して過ごした事はなかった。異 文化の中では自然と日本への誇り が湧く一方、国籍などを抜きにし た人間としての評価を下されてい る感覚がした。日本人を意識して 振舞う自国への帰属意識と、「あな たはどう考えるか」と問われた際 の一個人としての意識が二重に押 し寄せる。圧迫でさえあった周囲 の視線がやがて痛快で濃厚な個人 と個人の関係となっていく。  その経験は特に、約三十ヶ国の 国籍を持った人々が集う英語学校 で得られた。クラスは九人という 少人数ながら、とにかく授業が熱 い。例えば、医療問題を大テーマ に安楽死を望む病人と延命装置使 用を継続させようとする医者の話 について意見を交わす。リビアや トルコ、カザフスタン出身者を筆 頭に、立ち上り饅舌に主張する。 全力そのものである。一期一会、 なんて言葉が頭に浮ぶ。感心した のは、相手の意見をきちんと聞き ながらそこから議論の要点を引き 出す力だった。彼らは議論する事 に慣れている。議論を通し論理的 思考力が磨かれるのを感じながら、 私を含め日本人のそれが如何に欠 けているか痛感した。  海外研修は語学が得意な人が行 くという先入観があるなら捨てる べきだ。実際高レベルな授業に焦 りも感じたが、同じ志の者同士の 独特な雰囲気が、伝えたいという 意志の大切さを教えてくれる。そ の意志こそが語学の原動力だ。伝 えたい、そう心底思って初めてど の能力が足りないかが見えてくる。 また、この研修は自分を見つめる 旅でもあった。自らの意見を持つ ことが国際人としての第一歩であ り、異文化に触れる事は自分を意 識する契機となる。世界の白地図 を埋めていくことで自分が見えて くるこの感覚は、たまらない。

 
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平成20年(2008)7月7日改訂