えんじゅ:219号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCCX)


幕張中学・高等学校校長

田 村 哲 夫


三月。弥生。渋谷幕張高校 二十四期生卒業。同窓会「槐」の 会員はいよいよ壱万人。二十一世 紀に活躍する人達を育む学舎い よいよ意気軒昂。

一里はみな花守の子孫かや
     芭蕉

 謡曲の名曲「田 村」の一節に、「よ しありげなる姿に て玉箒を持ち、花 かげを清め給ふ は、花守にてまし ますか」とある。
 日本人にとって きってもきれない 桜。「花守」 の季 語がふさわしいこ の時期、昼と夜の 時間がほゞ同時間 となる「春分の日」 をおくり、農事では、野菜の種 を播く時期、学校は新しい学年 を迎える準備に忙しい。
 自然万物の素晴らしさを讃え、 讃仰するこの季節、二十一世紀 を担う若者達へのメッセージとし て、「国連持続発展教育=ESD =の十年」を提唱する。
 この十年計画の運動は、平成 十七年から二十六年の十年にユ ネスコが中心となって作り上げた 各国の指針となる国際実施計画 を実現することを目標としてい る。今年中閏年を迎えた。
 この国際実施計画の具体的内 容は、「持続可能な発展の原則、 価値観、実践を、教育と学習の あらゆる側面に組み込むこと」で ある。そして、その結果として、「持 続可能な社会の担い手を育む教 育を実践する」 ことになる。更 に考えねばならないことは「持続 可能な社会を構築する為の課題 は、国・地域によって全く異なる ものとなる」ということで、現実 にこの運動を推進していく上に、 多様で複雑、柔軟な発想、提言 が求められる。
 グローバル化の進展の中で、地 球環境、資源、エネルギー、食糧、 貧困等人類全体で取り組まねば ならない問題が深刻化している。 例えば水問題、2025年迄に地球上 の30億人の水不足が指摘されて いる。又、地球温暖化問題では 地球規模での対策による低炭素社会 の実現が早急にもとめられている  現在、私達の国では「ESD十 年」関係省庁連絡会議が立ち上 げられ、平成十六年(猟年)三 月に国内実施計画が策定されて いる。
 これによると、ESDの目指す べきを「地球的視野で考え、様々 な課題を自らの問題として捉え、 身近なところから取り組み、持 続可能な社会づくりの担い手と なる」よう個々人を育成し意識 と行動を変革することとしてい る。そして更に、人格の発達や、 自律心、判断力、責任感などの 人間性を育むという観点、個々 人が他人、社会、自然環境との 関係性の中で生きており、「関わ り」「つながり」を尊重できる個 人を育むという観点が大変必要 であるとしている。まさに本校の 教育冒標の一つ 「自調自考」の具 体的活動を示している計画であ ると考える。
 私達の国の第一回「教育振興基 本計画」(轡には、このESDの 理念が盛り込まれ、学習指導要 領の改訂(轡にもESDの理念に 沿った学習内容の充実が図られ ているが、環境や国際理解をテー マとした学習にとどまらず、ES D総合的学習が強化され、心構 え、考え方が構築される必要が ある。私自身にとっても日本ユネ スコ国内委員会会長として決意 を新たにしているところである。

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平成21年(2009)3月31日改訂