えんじゅ:219号


第二十四期生卒業証書授与式
     祝卒業


 別れを惜しむ春雨降る中、平成 二十年度卒業証書授与式が挙行さ れ、三百四十二名が新たな世界へ と旅立っていった。  緊張の一瞬、証書授与。担任の 先生に名前を呼ばれて答える僅か 一声の「はい」。それぞれが個性豊 かで、一人ひとりの学校生活への 想いが感じられて印象深かった。 総代浅川祐樹君の丁寧で自然な挙 措で、厳粛に証書授与は締めくく られた。  田村校長からの式辞では、三つ のはなむけの言葉が贈られた。卒 業生の一人ひとりが自らの個性を 伸張させ、自分の個性を社会の中 でどう生かしていくか考え、自立 した大人になっていってほしい。 この暗い世相の中でも、謙虚で明 るく過ごすことで運を引き込み力 強く生きていってほしいこと。国 際化の時代、。Think globa act localの精神でを忘れないでほし いこと。文化と文化を前提にす る、何らかの組織との関わりの中 で生きることこそが真の自由であ り、文化の枠をはずれてしまった ところに真の自由はない。真の自 由の重みを大切にして生きていっ てほしいこと。卒業生たちに自信 と誇りを持って生きていってほし いとの願いと励ましに充ちた祝辞 であった。  来賓のキッコーマン社特別顧 問・上花輪歴史博物館理事・館長、 高梨兵右衛門様は、入学式の時の 祝辞の思い出から話し始められ、 二つのメッセージを伝えられた。 まずは、小さなことでも軽く考え ず、遵法意識を持って生きていっ てほしいこと。そして、今の厳し い経済状況の中だからこそ、拝金 主義ではなく、心豊かな人になっ てほしいとの期待のお言葉をいた だいた。  在校生の送辞は生徒会長の二年 生葛西優樹君で、生徒会活動を通 して卒業生たちに引き上げられ、 奮い立たされた思い出を語ってく れた。  卒業生答辞は三年C組の二人、 飯田麻奈さんと安西祐太朗君が、 それぞれ日本語と英語で卒業への 思いを語ってくれた。「最後に、昨 日のことになりますが卒業文集が 配られました。卒業するにあたっ て私たちがそれぞれの思いを込 めて書き上げた文章です。‥・ (中略)‥・その中には皆に共通 した思いが込められているよう に感じました。それは、この学 校に入学して、多くの友人、先 輩、後輩、素晴らしい先生方に 出会えたこと、この貴重な時間 をともに過ごしてこれたこと、そ して今、無事に卒業できること に対して、すべてに感謝している ということです。」(飯田さ ん)、。In this school even though I was returnee I did not feel I was a minority and I felt alone.… I felt very comfortable and could Spend everyday without needless worries.I feel that this is all beacause ofthe many people who supported me over the years and I would like to think those people here right now.(安西君)。 いずれも自分の学校生活を支えく れた友人・ご両親・先生たちへの 感謝の気持ちを精いっぱい伝える 内容で、会場は大きな感激に包ま れた。  卒業生は校長先生から証書を受 け取り握手をし、在校生の声援の 中、晴れやかに退場していった。 彼らの多幸を祈る。


医薬系進学ガイダンス
      二月二十一日(土)

            


 医歯薬系に進学、就職した三 名の本校卒業生からの体験談を、 当該方面への進学を考える高校 一二一年生を中心に聞く場を設け ました。 (東京大学理科三類一年         遠山 聡さん)  授業の予・復習の重要性に加 え、わからなかった問題や想定と は異なる解法に遭遇した問題を 識別して学習効率を上げるといっ た、受験生へのアドバイスがあり ました。また、自身の治療経験 による「東洋医学」 への強い思い から、その普及に努める研究者 への道を歩み始めているとの事で した。 (千葉大学薬学部三年        梶原 絵吏さん)  近年変化のあった薬学系の四 年制と六年制課程の違いを、薬 剤師免許取得の観点から解説が ありました。また、学生生活の 中で研究者から薬剤師志望へと 変化していったのは、現在研究 対象とする「医薬品に対する遺 伝子依拠の酵素反応」に基づき、 患者の個人差に応じた薬品投与 への関心が高まった為という事で した。 (済生会中央病院(東京・港区)  消化器内科勤務 鳩貝健先生)  「下医は痛を医(癒) し、中医 は民を医し、上医は国を医す。」 という中国の格言を端緒とし、 専門は勿論、他診療科の内容も 積極的に学び、救急医療にも対 応できる実地訓練を積み、常に 知的好奇心旺盛である事が医師 として重要であると訴えられま した。二〇〇四年の新臨床研修 制度による医師不足にも一言及さ れ、千葉県内の過疎地域におけ る医療危機や人口比医師数が全 国四十六位であるという今日的 課題とも併せて、現場の視点か ら意見を述べられました。

 

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平成21年(2009)3月31日改訂