えんじゅ:219号
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本年度は、講師として、独立 行政法人国立病院機構理事長で ある、矢崎義雄先生をお招き致 しました。 今回の講演のタイトルは「いの ちと地球〜その未来に向けて〜」 ということで、まず、先生は「地 球」 の未来についてお話をして 下さいました。 太陽と地球。それぞれの大き さや、二つの星の距離の絶妙な バランスによって生れた、生命 の住む奇跡の星「地球」。先生 はこの「地球」 に対しては、驚 嘆の念を禁じえないと言いま す。しかし、今、環境破壊が進 む中で、この地球が危険にさら されていること。特に、産業化 が進んだ社会において、二酸化 炭素の排出量が増え、それが地 球温暖化の原因になっているこ とを先生は大変危慣されており ました。そのような状況下で、 京都議定書を批准しなかったア メリカのブッシュ前大統領のあ りかたに対して、先生は疑問を 示しながら、二酸化炭素の排出 は、産業によるものだけではな く、家庭からも多量の二酸化炭 素が排出されていることを教え て下さいました。この家庭から 排出される二酸化炭素を減らす ためには、我々一人一人が意識 してエコロジカルな生活を送っ ていかなければならない。その ことを、先生は強く訴えており ました。 「thinking globally act locally」 すなわち、「地球全体のことを 考えながら、それぞれが自分の 立場で行動すること。」 これこ そが、今後の地球の命運を握っ ているという先生の言葉は、 我々の胸に強く刻まれました。 その後、先生のお話は、奇跡 の星「地球」から生れた「いのち」 の話へと進んでいきました。先 生の定義する「いのち」とは、「D NA」 の働きによって、自分と 同じものを作り出すことができ る存在。その意味での「いのち」 の元祖はウイルスだったといい ます。そこから、四十億年かけ て人間に進化してきた生命の神 秘を話す先生に、生徒も固唾を 飲んで耳を傾けていました。 中央アフリカで誕生した人間 の祖先は、現在のあらゆる人種の 共通の父母であり、遺伝子レベル においては、黒人も白人もほとん ど同じであること。文化は気候 や食料の恵まれた場所よりも、 寒さや飢えといった厳しい条件を もつ場所において発達したこと。 従って、人類は苦労から成長して いく存在であること。先生のお話 は、ときに脱線しながら、無限 に広がっていきます。「人類が発 達したのは苦労があったからこそ です。だから皆さんも失敗とい う苦労から成功を導いていってほ しい。」人生の先達である先生か ら時折発せられる暖かい言葉は、 生徒にとって大いに励みになった ようです。 更に先生の鏡舌はとどまるこ とを知りませんでした。ヒトと ハエの遺伝子の数はあまり変わ らないこと。従って、遺伝子数 の増加によって人間は進化して きたのではなく、むしろ、直立 歩行をすることによって、脳が 発達し、手を自由に使えるよう になったことや、言葉を話せる ようになった結果、知識を共有 し、次世代に継承することが可 能になったことが、人間の進化 と大きな関係があった。先生の お話は非常に示唆に富むもので した。 更に先生の話は、先端医療に も及びました。特に、ES細胞 の発見によって可能性の広がっ た「再生医療」 の話に対しては 生徒も興味津々だったようで、 先生の講演後の質疑応答でも、 今後の「再生医療」 の可能性に ついて生徒から質問が出るほど でした。 先生が話された医療や科学の 話に、しばし時間を忘れて投入 していた生徒たち。大いに刺激 を受けたようです。 | ||
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東大法科大学院生主催のロー
スクール教室が、テスト直前と
いう厳しい日程でも40名(中学
から5名) の参加で行われた。 | ||
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平成21年(2009)3月31日改訂