えんじゅ:221号校長先生講話 |
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「自調自考」を考える(そのCCXT)幕張中学・高等学校校長田 村 哲 夫 |
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平成二十一年、二〇〇九年渋谷
幕張中学高等学校の二十七期生
を迎えての「夢」と「希望」 の
新学年がはじまっている。
春休み中、中三はニュージーラ
ンド研修、高校生達は英国・シン
ガポール等海外研
修を終え、豊かな
国際交流の経験を
いっぱいに新学年
をはじめている。
入学の子の顔
頓に大人びし
高浜虚子
前回、学校生活
の始まりに当た
り、考えるべき
重要なテーマとし
て「キャリア教育」
に触れたが、今回
は少しくこれを詳
述してみたい。
「キャリア教育」の「キャリア」
Careerは、中世ラテン語の「車道」
を起源とする言葉で、遺伝子の
保有者、伝染病の保菌者などを
指す「キャリア」Carrierとは
違う語源意味を持つ言葉である。
後者は英語で運ぶCarryからの
派生語。前者のキャリアは、英語
で、競馬場や競技場のコースやそ
のトラック(行路足跡)を意味し、
ここから人がたどる行路やその足
跡、経歴、遍歴なども意味する
ようになり、更には特別な訓練
を要する職業や生涯の仕事、職
業上の成功をも表すようになる。
つまり「個人が生涯にわたって
遂行する様々な立場や役割の連
鎖及びその過程における自己と
働くこととの関係付けや価値付
けの累積」をキャリアと云う。「個
人」と「働くこと」の関係の上に
成立するこの概念キャリアをどの
ように教育を通して具体にする
かを考えてみよう。
「自然のままでは、人間はほと
んど考えない。考えることは、ほ
かのすべての技術と同じように、
人間が学んで身につける技術で、
しかも学ぶのにいっそう骨が折れ
ることだ。わたしは男女いずれに
対しても、ほんとうに区別され
るべき階級は、二つしかみとめな
い。一つは考える人々の階級で、
もう一つは考えない人々の階級だ
が、このちがいが生ずるのはもっ
ぱら教育によるものといってい
い。」(ジャン・ジャック・ルソー一
『エミール』 より・今野一雄訳)
と云われているように人は教育を
通して考えるようになる。その教
育が「発達過程にある一人一人の
生徒が、各人の個人差や特徴を
生かして、学校生活における様々
な体験、学習を前向きに受け止
め、日々の生活で遭遇する課題や
問題を積極的・建設的に解決し
ていくことを通して、問題対処の
力や態度を発達させ、自立的に
生きていけるように支援するこ
とを目指」して実践され「社会
の仕組みや自己と他者、社会と
の関係を理解する上に立って、自
分の力で自分の人生をつくるのだ
=人格的自律権=という強い意
識」を育むことによって先行きの
見通しのつけ難い時代(21世紀)
に青少年を強く襲う「無力感」
や「閉塞感」 に捕われることな
く将来に対しての夢や希望を確
かに持つ「考える若者」を育てる
ことが出来ると考えている。これ
がキャリア教育というものなので
あろう。
まずは、「自分の好きなこと得
意なもの」をふやし、楽しく学
び、その上に立って自己と他者
或いは社会との関係=職業ボラ
ンティア等=を理解実践しその
悦びを実感することから始まる。
さあ、はじめよう。
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平成21年(2009)5月13日改訂