えんじゅ:225号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCCXV)


幕張中学・高等学校校長

田 村 哲 夫


   秋酣、霜月。収穫を祝う月。  欧米諸国、特に米国ではこの月 に「ハロウィーン」でこども達が 「Trick or Treat」 と菓子をねだ り、第四木曜日の「収穫感謝祭 Thanks giving Day」が祝われる。  秋はこのように 楽しい収穫を祝い、 冬を迎える活力を 吹き込む神事の役 割が大切になる。 学校でも、一年間 の活力を吹き込む ような行事がこの 二学期にある。高二 の中国修学旅行= 残念乍ら今年は九 州へ=、高一の広島 平和研修、中三の 奈良修学旅行、中 二の会津研修、そ して中一の南房総研修と。本校ら しさを発揮した研修(自調自考) であった。そして読書週間(今年 の標語「思わず夢中になりまし た」) は生徒の「知的生甲斐を求 める」活力注入の週である。読書 の読は声を出してよむの意である から、たまには朗々と読み上げて 読むことも楽しいことになろう。
 ところで、この秋10月中旬に私 は、日本国政府代表顧問としてユ ネスコ総会に参加した。
 二年置きに開催される総会だ が、今回は松浦事務総長の交代 期に当たり約十年の勤務後二期 目が終わり、次の「ボコバ・ブル ガリア外相」に引き継いだ (10/ 15)。事務総長ポストは各国代表 の就任希望が殺到するポストで 今回は国際社会の動向がはっき り表面に出る就任活動を目の当 たりにすることが出来た。(ユネ スコの初代事務総長は哲学者と してノーベル賞を受賞したバートランド・ラッセル卿である。) ア ラブ世界が支持するエジプト・ ホスニ文化相との一騎討ちの選挙 は、四回の投票を重ね、ようやく ボコバ就任に決着した。両者が同 点であった投票数が動いたのは、 フランスとイタリアの票がエジプ トからブルガリアに移動した (こ れを裏切りといわれた)結果。  そして新事務総長は就任後、 最初に訪問する国をエジプトにす るという。
 日本としては、諸般の事情で当初 よりボコバ支持であったので結果と して妥当であったとしか言えない。  今回のユネスコ総会でこれから 二年間の活動の重点がアフリカを 主な舞台とするEFA(Education for All) 活動と独・日共同提案 によるE S D (Education for Sustainale Development)=持 続開発教育=普及活動と決定し ているので、アフリカ諸国との連 携が上手くいってくれることを 願っている。
 とにもかくも、これで国際機関 の事務総長役は、日本人ではIA EA(国際原子力機関本部ウィー ン) の天野之弥氏のみとなった。
 ユネスコ (国際連合教育科学文 化機関) は、諸国民の教育、科 学、文化の協力と交流を通じた 国際平和と人類の福祉の促進を 目的とした国連の専門機関で、各 種活動の他、有名なのは「文化 遺産活動」や「ドーピング」があ る。最後に印象的なことで、今回 200ヶ国近い加盟国参加のなか での総会発言で各国がシーンとし て聞くのは、USAとJAPON だけという感じであった。私達の 国のユネスコに於ける存在感期待 感は想像以上に高いものがある。 先人達の努力の賜物であるが、こ れは今後引き継ぎ一層大切に育て ていかなければならないものと考 えている。
 自調自考生たのむよ。

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平成21年(2009)12月12日改訂