秋酣、霜月。長かった酷暑か
ら解放された収穫を祝う月。
欧米諸国、特に米国では十月
末に「ハロウィーン」でこども
達が「Trick or Treat」と菓子
をねだり、第四木曜日には「収
穫感謝祭 Thanks giving Day」が祝
われる。
日本では、「秋祭り
」。収穫を祝い、
冬を迎える活力を
吹き込む神事が行
われる。
学校でも、一年間の活力を吹き込
むような行事がこ
の二学期にある。厳
しい国際関係のな
か実施が心配され
た高二中国修学旅
行、高一の広島研修、中三の奈良
修学旅行(遷都千三百年祭)、中
二の歴史を尋ねる会津研修、そ
して郷土と地理の南房総研修と
本校らしい自調自考の発揮され
た豊かな収穫のあった行事が終了。
そして読書週間(今年の標語は
「気がつけばもう降りる駅」)
に入る。「生徒達の知的生き甲斐
を求める活力注入の週間」である。
「読書」の読は声を出す意味がある。
朗々と声明の称に読むの
も面白い。
ところでこの秋10月に、前回に
触れた「生物多様性条約第十回締結国会議
(COP10)」が名古屋で開催(10月18日〜30日)され、
困難な会議をのりこえて、「名古屋議定書」
が策定された。京都
議定書と並び世界史的出来事で
ある。生物の利用や利益配分の枠
組みを定める議定書と、2020年に向
けた生態系保全の目標「愛
知ターゲット」、途上国への資金援助
戦略の三つがこの名古屋会議で
決められた。
地球の未来の為の地球環境の
交渉会議は、1992年のリオデジャネイロ
環境サミットで提案、
締結された。「気候変動枠組条約」
と「生物多様性条約」に基づく
もので、昨年12月コペンハーゲン
で開かれた温暖化の交渉会議(COP15)
は、残念乍ら失敗と言
われているが、今回は成果が挙げ
られたと言っても良い。
「議定書」 は「ABS議定書」
ともよばれる。「遺伝資源から得
られた利益の公平な配分」の英文
の頭文字をとった。途上国には
豊かな生物資源が富をもたらし、
先進国の企業は開発やビジネス
がしやすくなる。又「愛知ターゲッ
ト」では、生物多様性の損失を
止める為の20の個別目標を明示、
「陸域17%以上、海で10%の保護
区をつくる」と数値目標も決め
ている。
金子みすヾの詩に「私と小鳥
と鈴と」がある。私という人間
と鳥という生き物と、鈴という
物を全く同列において比べ、「み
んなちがって、みんないヽ」と謡
う。二十一世紀、皆が生きる地球
社会が持続可能である為に自然、
社会、文化のそれぞれにおける
多様性が維持される必要がある。
“Bio diversity・Lifestyle diversity・
Landscape diversity”
そこで、今回の名古屋議定書
の成果は多様性の維持と重要性
を具体に示す第一歩となると考
えられる。
因みに、持続可能な開発に関
する世界首脳会議(ヨハネスブル
グサミット)の提案により決めら
れたESD(持続発展教育)10
年計画(国連総会で議決)は、ユ
ネスコスクール等の活動を求めて
いるが、その目的は「持続可能な
社会」の実現と全く同じ目標で
ある。
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