えんじゅ:264号


第29回

えんじゅ祭 



 展示したり、演じたり、唄ったり……形は違っても「何かを表現する」ことには変わりない。すなわち「人に伝える」ということである。  よく作家でも音楽や映像の作り手でも「自分の感性だけで語りました、作りました」という人がいるが、これは表現者として正しい姿勢なのか?自分の内側にあるモノを外に出して〝これが私です〟って言うのは、〝わかる人だけわかればいい〟という陥穽だと思う。  「物語」というものは、自分と外側の世界の間にこそ生まれてくるものではないか。当然ながら人は自分の意のままにならない世界と対峙しなければならない。そこでどう外の世界と向き合っていくか、どう自分の内側を伝えていくかが「表現」ではないだろうか。  それは現実=自分の外側にあるモノを常にどう見ているかということでもある。だから、文化祭では企画を考え、クラスや団体で知恵を出し、話し合い、ぶつかり合って乗り越えることが必要となる。どうしたら見に来てくれた人に自分たちの思いを伝えられるか、楽しんでもらえるのか、そして感動を与えられるのか。そんな「表現」することの原点が今回のテーマ〝あなたの笑顔が見たくて〟にこめられていたはずだ。  今年も槐祭文化の部には多くの来場者をお迎えした。はたしてそれは伝わったか。まだまだ発展途上の部分は多いが、表現者と来場者が共鳴し合う磁場になっていればと思う。
槐祭担当 若井

生徒が作る槐祭
生徒部長 菅野

 一年以上続いた工事が終わり、槐祭が、制約を受けずに実施できる生徒会主催行事として生徒の手に戻ってきました。  この数年間を思い返すと、スポーツフェスティバルは体育委員会が開催日程案から作り、種目の決定までを行うようになり、文化祭は文化祭実行委員会がルールをまとめた「プロジェクトE」を発行し定着するまでになりました。感心するのは、生徒諸君が、正しい手続きを経て決定することを大切にしている点です。生徒会行事は卒業した生徒が残したさまざまな規約を守って作られていきます。都合の悪いところが出てきたら、変えていくことも大切です。自分たちで決めて自分たちで守るところに意味があります。しっかりと議論して作られた規約は尊重されるべきです。  文化祭は一万人を超える来校者を数える行事です。多くのお客様をお迎えするために、生徒会役員や文化祭実行委員会の生徒たちは、さまざまな気配りをしてくれています。学校側からの校舎破損防止対策の求めには、さまざまなルールを作成してきました。事故防止のために企画内容を参加団体とともに検討してくれています。インフォメーションセンターでは、迷子の対応や落し物の管理、乳児のおむつ替えの案内まで実に細かいところまで打ち合わせています。  今年は学校ホームページから文化祭の案内を見られるようにしたり、良い企画に投票してもらう「グランプリ」を実施したりと新しい試みがなされました。初めてのことを進めるのは困難が伴います。担当生徒は苦労したと思います。それでもやり遂げた熱意は、後に続く生徒に引き継がれていくことでしょう。  行事で生徒は今まで見せなかった素晴らしい面を見せてくれます。何かの役割を黙々と担当したくれた生徒もたくさんいました。そうした力を結集して槐祭は作られるのでしょう。





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平成25年(2013)10月7日改訂