えんじゅ:273号


越えられない壁に佇む君に
進路部部長 井上


  今年の四月に終了した「笑っていいとも!」というテレビ番組があった。この番組の創設期にプロジューサーとして活躍した人物に横澤彪氏がいた。少し昔になるが、この横澤氏が所属するテレビ局の入社式でこう述べている。「これから、あなた達は必ず壁にぶつかる。その壁は絶対に乗り越えられない。いままでの自分の常識で何とかしようとしても社会ではまったく通用しない」。  東京大学教授で労働経済学という「働くこと」を研究している玄田有史氏はそれを聞いて「社会に出ることはうれしいこともあるが、辛さや悲しさに充ちているのが正直なところだ。努力の認められない悲しさ、むやみに周囲に振り回される悲しさ。それにもまして思うのは自分自身の無力さを思い知らされることだ」。と分析した。  だからといって「自分の無能さを知らずにすむから社会に出ない」という選択肢は許されないし、真面目に頑張ることを否定する若者はやがて間違いなく社会から放逐される。  「壁にぶつかった時には無理して乗り越えるのではなくその前にウロウロしていること。そうすれば、ぽっかり穴が見つかったり、壁が崩れたりヘリコプターが飛んできてロープを降ろしてくれる」。つまり、「偶然の力」が味方をしてくれる。横澤氏は、話をこうまとめた。  玄田氏はこう繋げた。「偶然の力」を利用できるのは「自分の限界を知っている人」だと。   私論ではあるが、自身の限界を知る人はとても謙虚である。礼があり他者に対する優しさも兼ね備えている。だから「偶然の力」が加護してくれる。  私が幕張生の皆さんにこの夏に与えたい命題はこの「壁を越える力とは何なのか」ということ。そのために、学問でもスポーツでも何でもいい、自分の限界まで何かを真剣に取り組んだことがあるか。ひたたる汗や感動の涙の中で一つの目標を終えたことがあったか。この夏にこれ迄の学校生活を一度反芻して欲しい。そしてこれから何をすべきかを考えてもらいたい。  玄田氏はこうも言う。「夢ややりたいことは簡単に見つからない。それは日常の中で痛感する自分の限界やそれを乗り越えさせてくれた『自分以外の何か』に触れること」で見えてくると。  この夏も有意義な「退屈で孤独な哲学の時間」を是非に過ごしてもらいたい。



えんじゅ:273号

地区別保護者懇談会
(前期)報告


  二十六年度地区別懇談会(以下、地区懇)は、各地区役員の計画のもと、皆様のご協力により、五月と六月の四回に分け開催されました。本校の庭植えのバラが最盛期の中、進学結果の好況が反映してか、どの地区においても和やかな雰囲気の中で、有意義な懇談会が行われました。多くのご父母のご参加、皆様には心から感謝申し上げます。  各懇談会では、学校の方針や教育活動についての状況報告、お配りした資料の説明やそれに関わる話題・シラバス・進路学習ガイダンスのご紹介を行い、後半は校長先生への質疑応答を以って、あっという間に二時間ほどの会を終了致しました。  この懇談会は、何よりも学校・家庭・地域社会をつなぐ場です。 この機会を保護者の皆様の交流や情報交換などに活用していただき、学校の活性化に結びつけたいと考えています。  懇談会後は、会場をリニュアルしたカフェテリアに移し、和やかな中で懇親会が行われました。子どもたちは学年が上がるにつれ、通常、学校のことや自分の事をあまり話さなくなっていると思います。学年の枠を超えた地区懇でのことなど、親子の共通の話題にして対話の機会を増やしてみてください。  後期も良い会が開催されますよう皆様方のご協力をよろしくお願い致します。  以下、地区懇役員の方々のアンケートをお伝えいたします。 ・校長先生のお話はいつも刺激的で、先生の考えてらっしゃることや渋幕の学校の様子がよく分かり、楽しく思っています。 ・子どもの話だけでは分からない、知ることのできないことを同じ地域の方々と話せる地区懇では、いつも有意義な時間を過ごすことが出来ます。修学旅行のこと、部活動のこと、思春期の子どもへの接し方など、先輩お母さん方からの情報は貴重です。 ・役員のマニュアルもあったため、初めてでも不安なく参加できました。色々な方が携わって成り立っていることが分かりました。 ・子どもからは発言されない学校全体の情報が聞けて良かったです。



えんじゅ:273号

Water is Life 2014
澤﨑


 六月九日(月)からシンガポールのRaffles Institutionで開催されたWater Conference。同年代の高校生が世界中から集まり、水問題について議論を交わした。アカデミィックな側面から見ても、学ぶことが多く、世界の水問題の理解が深まり、意識も高まった。Poster Presentationでは、「海藻を用いた水の浄化」と「水教育」について本校生徒は発表し、多数の注目を浴びた。  五日間の国際会議ではあったが、多国の人達と交流を持つ機会があった。新しい友達を作ると同時に、他国の生活や文化について知ることもでき、彼らには貴重な体験になったであろう。



えんじゅ表紙へ

学校表紙(もくじ)へ

平成26年(2014)8月28日改訂