今回で二十回目となる模擬裁判が十一月二十七日に本校講堂で開催されました。模擬裁判は司法制度に対する理解を深め、法曹界を身近に感じてもらうことで広く人材の育成を図ることも目的にしています。今年も東京弁護士会から十一名の弁護士の先生方にご指導いただきました。その中に本校の卒業生が含まれていたことは嬉しいことでした。
今回の模擬裁判で扱ったテーマは殺人未遂事件であり、被害者が負った傷が被告人によるものなのか、または事故によるものなのかが争点となりました。
約三週間の準備期間の中で、検察側・弁護側とも放課後遅くまで準備を重ねてこの日を迎えました。物的証拠がなく、ただ状況証拠を積み上げながら立証しなければならない難しさに、双方とも悩みながらシナリオと格闘している様子が随所に見られました。
裁判当日は「異議あり」の場面も何度もあり、白熱した論戦がくり広げられました。陪審員として参加した配役以外の生徒の評決は有罪九九、無罪一七一の結果でした。五人の裁判官による判決は無罪が言い渡されました。参加した生徒からは「検察と弁護人の主張を理解した上で、有罪か無罪かを判断するのは、思ったより難しい作業だった。」等の意見が寄せられました。
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