えんじゅ:288号  


第三十一期生卒業

 

リスタートに寄せて
副校長 田村


 三十一期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。毎年この時期になると高校三年生の諸君を送り出す寂しさと共に、逞しく成長した皆さんの姿に嬉しさを感じます。卒業生の皆さんには、地球社会の担い手として、これからの世界を是非作り上げていって貰いたいと思っています。グローバル化により世界はより身近になっていますが、一方で複雑化しています。価値観が様々に変容していく社会では、学習を怠ることなく知見を広げ、自分の考えをしっかりと持って物事に対峙することが大事と考えます。人生には色々なことが起こりますが、自分を大切にして誇りを持って生き抜いて貰いたいと思います。本校で身に付けた自調自考の精神を軸にして、卒業生諸君が世界で活躍することを期待しています。
 

素直に耳を傾けて
副校長 松井


 卒業おめでとうございます。  いよいよ大学生ですね。勉学はもとより、日常の生活行動の全てが自身の責任になってくるのですが、自信はありますか。  これからの生活では、自分への意見として、中傷的な事も、反対に、全面的に賛成の事もあるでしょう。その時考えて下さい。相手の言葉が耳に心地よくて、事がらがすべて快適な時、要注意です。君たちは素晴らしい判断力を持っているはず。だから、冷静になって、より多くの意見を聞くべきです。耳には聞きづらい忠言や諌言が、君の人生を磨く砥石になるのです。そのために耳はいつも素直で、誰に対しても、どんな言葉にも冷静に対処して下さい。  最後に、お身体を大切にして多くの人と、楽しい人生を送って下さい。がんばって下さい。
 

「魅力づくり」
高校教頭 小河


 三十一期生のみなさん、卒業おめでとうございます。  四月から新しい環境での生活が始まります。社会に出るまでの数年間は貴重な時間です。ただ漠然と過ごすのではなく、魅力的な人になることを考えましょう。ここでいう魅力の意味は人により違うでしょうが、私が考える魅力ある人とはこうです。一緒に仕事をしたい、尊敬できるものがある、ゆとりがあり気遣いができる、笑顔がある、謙虚である等々を指します。  魅力づくりに役立つことは、学問と向き合う、人との付き合い、国内・海外旅行、読書などの幅広い経験を積むことだと考えます。そのことが、教養を深め、人としての幅、奥行きを生むのだと思います。努力は人を裏切らないと言います。自分を信じ前へ進んで下さい。
 

他力も自力
高校教頭 深村


 卒業おめでとう。  渋谷幕張で培った「自調自考」の精神を発揮するのは、むしろこれからだ。学生時代と違って、人生は自力で切り開いていくしかない。ただし、自力はたかが知れている。無限の他力を自分のサポーターとして生かすのも自力の内だ。  のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ  佐佐木幸綱  君の人生、君が主役だ。基本は自力でペダルを踏んでいくしかない。本当は「まっすぐ」が正しいかどうかは誰にも分からない。しかし、この歌の叫び声も不安より期待の響きがはるかに大きい。のぼり坂の先を夢見て、まっすぐ、どんどんのぼるしかない。幸いなことに、君たちには渋幕で共に過ごした生涯の友がいるのだ。