えんじゅ:312号  


校長先生講話

 

中学巡検(夏休み)


 中 一
○歴史巡検
 「国立博物館 縄文展」
 上野の国立博物館で開催された特別展「縄文 一万年の美の鼓動」を、総勢一一四名で見学しました。見学前に、学芸員の川岸瀬里さん(本校十四期生)から、展示物の見どころなどをわかりやすくレクチャーしていただいたので、それぞれの縄文土器や土偶に秘められた縄文人の想いを感じながら鑑賞する事ができ、、非常に実りある巡検となりました。

○地理巡検
 佐原の町並みと伊能忠敬
 台風一過の八月二十四日に中一生徒四十二人の参加で千葉県佐原を訪問した。佐原は校長講話で紹介された忠敬の出身地、関東で初めて重要伝統的建造物群保存地区の選定を受け、小江戸とよばれている。伊能家旧宅や町家、山車会館を「小野川と佐原の町並みを考える会」のボランティアの方の案内で見学、伊能忠敬記念館では、忠敬の地図づくりの技術を学習した。

○数学巡検
 お台場にあるリスーピアと日本科学未来館を見学しました。リスーピアでは、東京オリンピックに向けた取り組みも紹介されており、競技だけでなく、いろいろな参加の仕方があることがわかりました。科学未来館では、興味深い内容が多く、限られた時間内で効率よく見学していました。日常の学習に少しでも役に立ててほしいと思います。

中 二
○国語巡検
 八月二十三日に、上野浅草方面で国語巡検を実施しました。
 午前中は、国立博物館や国立西洋美術館で、芸術に対する理解を深め、午後は浅草演芸ホールにて、落語やコント、演芸を鑑賞しました。
 夕方になると、生徒たちは班別自由行動で、浅草周辺を散策。長い、そして充実した一日を締めくくりました。

○社会科 横浜巡検
 「みなとみらい21」として開発中の横浜を、地形、歴史、文化の視点から巡りました。横浜ランドマークタワー展望室から、横浜周辺の地形を確認し、鉄道橋や赤レンガ倉庫などを歩きながら、歴史的建造物である横浜三塔を眺め、横浜開港記念館やシルク博物館で体験学習を通じて歴史を学びました。お昼は横浜中華街を散策しながら、本格的な中華料理を堪能し、午後はニュースパークで新聞づくりに挑戦しました。

中 三
○国語 早稲田文学散歩
 早稲田にゆかりのある文学を学ぶために、目白台~早稲田周辺を歩きました。永青文庫と肥後細川庭園を訪ねて伝統文化に触れた後、早稲田大学演劇博物館で能・狂言・歌舞伎など、演劇に関する貴重資料を鑑賞。早稲田大学構内の食堂で昼食後、夏目漱石の足跡を訪ねて漱石山房記念館へ。酷暑の中でしたが、都の西北で文学に親しんだ一日となりました。

○公民巡検Ⅰ~Ⅳ
 「日本の政治・経済を知る」をテーマに、今年も4コースを設定した。午前中は各コース共通で東京地裁での裁判を傍聴し、十一月に行う模擬裁判にむけて刑事裁判の手続きを理解した。午後はコース別に朝日新聞東京本社、総理大臣官邸、防衛省市ヶ谷記念館、参議院を訪れ、テレビや新聞で有名な「あの場所」と同じ場所に立つ興奮を味わった。

○生物巡検
独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(木更津市)
 八月二日午後、現地に三十名が集合しました。「ゲノム情報の提供について」、「生物遺伝資源について」、「微生物と産業利用について」の約一時間の講義を受けた後には活発な質問がありました。施設見学では膨大な種類の微生物の保存状況を見せていただきました。日本有数の研究施設を見学でき、大いに刺激となったようです。

 

コラムSGH23


 「Water is Life 2018」が終了し、2学期がスタートしました。学校も例年の学事日程に戻り、槐祭を経て研修旅行が始まろうとしています。SGHプログラムも終わりが近づいてきましたが、グローバルに物事を考えることは、これからの人生をより豊かに充実したものにする上で欠かせないものです。毎日の学校生活の中では、日常繰り広げられることにのみ目が行きがちなものですが、物事を広く大きく俯瞰出来る力は、狭い価値観に囚われることなく考えを広げ、多様な考えを受容出来る素地を作ってくれます。色々な人と話すこと、特に違う文化や言語を通して生きている人との交流は、考えを広げる良い機会です。しかし、そういう機会に恵まれなかったとしても、グローバルな目を持っていればいくらでもチャンスはあります。国内でも実際に行って直接その地域の文化・歴史に触れる、海外から旅行で来た人の視線で考えてみるなど、取り組み方によって考えを広げることが出来ます。自調自考によって様々な目を養って欲しいと思います。