えんじゅ:315号  


 

 

変わる渋幕
高校教頭 深村


 平成が終わる。やっと「平成」が耳慣れてきた十年前は、本校教員の全員が昭和生まれ、生徒全員が平成生まれという年号間ギャップがあった。現在は、先生方も平成生まれが目立つようになってきた。  渋幕も変わる。変化の最前線にいるのは、もちろん君たち生徒だ。先輩たちから受け継いだ伝統らしきものに、新たな彩を加えてきた。そろそろ渋幕文化と呼んでもいいころだろうか。で、果たして「渋幕文化」とは? 卒業生が来校すると、決まって渋幕のすばらしさを語ってくれる。大学生活の様々な場面で、高校在学中は気づいていなかった「渋幕らしさ」を実感するらしい。  新しい年が始まる。君たちの手で新しい文化が生まれる。
 

かわりゆく時に
高校教頭 藤井


 新たな年を迎え、我が家の置物も犬から猪にかわった。「かわる」という漢字は状況によって「変」「代」「替」「換」など、それこそ使い方がかわるので、度々困る。この文章に登場する「かわる」はどの漢字が適切なのか、君たちならば簡単に判断できるだろう。さて、かわると言えば、もうすぐ学年がかわる。高三諸君は、生活の場もかわる。それぞれに、自らをより良くかえる機会である。意に反してかえざるを得ないこともあるが、それは稀なこと。多くの場合かえようとは思いつつ、なかなかできないものである。  是非この環境のかわり目に、日頃からかえようと思っていること、一つでもかえてみよう。私もかえてみるつもりだ。  続きは、「卒業文集」へ
 

いよいよCブロックへ
高校一学年主任 荒木


 皆さん、新年明けましておめでとうございます。昨秋頃から文理科目選択という大切な時期に入り、あらためて自分を見つめ直す機会にもなったと思います。真剣に考えるほど様々な悩みや不安を抱いた人もいるかもしれませんが、しっかりと自分と向き合うことができた分だけ精神的にも成長して、春に高二になった時に自分の可能性を信じて前を向いて進むことができるはずです。学校では部活や研修も含めていよいよまとめのCブロックという段階に入ります。生活全般を充実させ、「考えのある猪」の如く自分の将来を切り開いて下さい。併せて高校から入った新しい仲間と同じクラスになり新鮮な気持ちで良い影響を与え合いながらお互いに伸びてくれることを願っています。
 

新年おめでとうございます。
高校二学年主任 久保田


 新年の話題は何と言っても新天皇即位の儀が行われることでしょう。以前に昭和天皇崩御から今上天皇に代替わりが行われたときも新しい時代が来ることへの期待と不安があった気がします。さて、今回はどのような雰囲気が世の中に流れるのでしょうか。日本で古来より続く伝統は、少しずつ新しい伝統と入れ替わっていくようですが、良い伝統は変わらずにいてほしいものです。  今まで日本では、ひとりひとりが自身の行う良い習慣を認めつつ、他の良い習慣をも取り入れて発展してきたのだと思います。今後も生徒諸君には自らの誇りを大切にしながら、広い視野を持ち、周りと協調してよりよい生活を目指して欲しいと願っています。
 

特別な思い
高校三学年主任 大平


 新玉(あらたま)を迎えるとまさに改まった気分になるのは世の習いだが、今年は私にとって特別な年なので、その思いもひとしおである。言うまでもなく、担当の高三生が一人ひとり次の道を決めて、ここ渋幕を巣立っていくからである。六年、三年の思い出と淡い悔恨を胸に次の世界へと飛び立つ日が間もなくやってくる。  そして、それから二ヶ月後の五月には「平成」という元号が改まる。まだ二十世紀だった頃、田村校長が折にふれて生徒たちのことを「二十一世紀からの留学生」と称していた。私はこの表現が気に入っていたので、この文章に使わせて頂こう。つまり、高三の諸君は、未来の活躍が期待されている「新しい元号からの留学生」なのである。  新元号が何になっても。