平成11年度

入学おめでとう!


若き心への贈物



幕張高等学校副校長

阿 曾 

     
四月の入学・進級から早くも一ヶ月、それぞれの学年では、青葉の季節に ふさわしい活動が展開されていて賑やかである。

「パスカルの原理」で有名なフランスの科学者で思索家で宗教家でもある パスカルは、「人生で最も大事なことは職業を選ぶことだ」といった。 職業とは自分が他の人や世の中にどうかかわりあうか、その形をいう。 誰もが大きな役割を担うべくあるのだけれど、それが何かが分からない。 学ぶ、成長するとは、その模索の過程と並行する。

「水は方円の器に随い人は善悪の友による」と言うように、無意識の 状態では水はそれが本来の性であるかのように、方形や円形の容器の形 のままになっている。しかし、その容器に穴があくと、穴の大きさによ って、霧のように音もなく草木を潤す恵みとなったり、巨大な発電機を 動かす力を発揮したりする。同じ水でも状況によって全く異なった特性 をあらわすのである。これに対して人は、自力で運命を拓こうとする力 を持っている。だから選択をする。

ところがパスカルは、さきの言葉に続けてこう言う。「しかしそれ(職業 の選択)は多くは偶然による」と。この偶然は、どうでもいいとか気まぐ れとかの意味ではない。熱心な基督者のパスカルだから、人智を超えた 神の恩寵とみるのだろうか。言いかえれば、思いもよらない、予想外の 「転機」を指すのだと思う。学校で多くの友だちと多くのことを学び語り また行動する間に、それは突然にやってくる。きらめくような、目が洗わ れる発見、そこで人は飛躍する。こうした転機は正に若き心への贈物なの である。

劇場での開幕前はこれから何かが始まるという楽しい時間である。諸君は 何年生であろうと若い心がある限り、ずっと開幕前である。しかし、馴れ というのはこわいもの、せっかくの贈物、転機を見過ごしたり、取り逃 してほしくないと願っています。


みんな違っている中で



幕張高等学校附属中学校副校長

和 田 

     
四月二十八日水曜日の朝、七時三十分頃、学校の近くで鶯の声を聞きました。 澄んだ朝の空気を鋭くさわやかに裂くようでした。花も終わり、葉桜の緑が 目に沁みるこの頃ですが、君たちは中学生となって一ヶ月余りとなりました ね。少しは中学生活に馴れ、友達や先生の姿も見え始めましたか。ここでは 次の二つについて話をしておきましょう。その一つは、

1.みんな違っている中で、育てよう友情、そして自分を

野球の好きな人嫌いな人、絵を画くことが得意な人不得意な人、数字が よく分かる人分からない人、論理的に考えるのができる人、そうでなく 感覚的にとらえるのが得意な人、君の周りのすべての友だちはこのよう に違った個性の人たちです。長所があり短所があるのが人間なのです。 君も友もそうです。だからみんなが助け合い補いあい、互いになくては ならない存在となるように生きるのです。生きるとはそうなることで、 君の、友の尊さもそれ故に一層輝くのです。その二つめは

2.『無知の知』の大切さ

物事を理解する上で、「何が、なぜ、いつ、どこで、誰が、どんな方法で」 と問うことが大切と言われています。

小学校と違って、授業は教科・科目ごとに先生が変わり、その授業内容も、 予習復習しなくてもよく分かるという程度ではなくなります。前に述べた ように、問い続けても理解できないことも出て来ます。そんな時は恥ずか しがらず、友だちに聞くとか、先生に質問することです。勉強すればする 程、分からないことがどんどん増えて来ます。そこで知らないことが多い ことを知るのです。無知の知とはそういうことでしょう。勉強することの 意義、その大切さ、そして励むことのできる自分をつくれるようになるの です。君はそうなれます。きっとなれます。輝く日々であれ。


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平成11年(1999)5月31日改訂