今年で中国への修学旅行も11回目を数える。本年度は従来の北京・西安に、初の試みとして現代中国の象徴ともいうべき上海を加えての旅となった。様々な予備知識を持って臨んだはずの生徒たちだが、日本的繊細さの通用しない中国的大雑把さに戸惑いながら、中国の歴史の奥深さと「大陸」と「島国」との違いを十二分に満喫できたのではないだろうか。
第2団では西安発上海行の国内線が悪天候のため予定より3時間遅れの出発となり(結局4時間となったが)、急遽バスに戻り予定になかった咸陽博物館を見学した。空港に戻り、航空会社から出された弁当を流し込みながら、文句を言う者ありハプニングを楽しむ者あり。結局上海のホテルに着いたときには日付が変わっていた。今思えば楽しい思い出だ(と思う)。残念ながら上海をゆっくり見学することは今回できなかったが数えきれないほどの高層ビル群は我々に高度経済成長を遂げる現代中国のパワーをしっかり物語ってくれた。生徒たちの素直な驚嘆の声が実に印象的だった。今回の旅行が皆の人生の良き思い出の一ページになってくれれば幸いである。
中国の思い出
中国研修委員長 佐野
天安門に立ち、故宮を歩く。この場所に様々な歴史的瞬間があったのかと思うと、今ここに立っている自分の存在が不思議なものに思えてくる。
景山公園に登る。天安門・故宮が順々に立ち並ぶ姿が見える。まさに、肌で感じるという言葉がぴったりな瞬間だと思う。天安門とか故宮とか関係なく、ただそのスケールと荘厳さに圧倒される。
景山公園を出た途端、多くの売り子の人々に囲まれた。十元でいいよと商品を見せる。華やかな天安門を見た直後だったので余計どれが本当の中国なのかともやもやした思いが残った。
万里の長城、華清池…。実際にその場所に立ってみて改めて自分の知識が上っ面だけのものだと実感する。人々はどんな思いで長城を造ったのか。窓ガラスに残された銃弾の跡。その場に立つことで初めて歴史の深さは学ぶことができるのだと思う。
最終日の上海。バスの外は近代的な高層ビル群にあふれ、今まで私が抱いていた中国の印象を一つ一つ否定していくかのようだった。北京・西安は人々の生活が迫ってくる様だったが、上海は国際社会をリードする新しい中国だった。今回の研修で同じ中国でありながら、歴史的な中国、発展する中国、そして問題を抱える中国と様々な中国を見ることができたと思う。
最後の修学旅行。今回は団体旅行が中心だったのでなんだか新鮮だった。と同時に今までの自分で調べ計画を立てる形の班別研修がいかに充実したものであったかも感じた。
瑠璃廠での買い物、万里の長城の男坂の急な階段、ホテルでみんなで語り合った夜…。最終日は思わぬトラブルで深夜12時にカウントダウンをしながらみんなで夕食を食べた。トラブルのおかげで楽しい思い出がひとつ増えた気がする。中国を思い出すと全てが良い思い出ばかりだ。友達と過ごした中国の旅をきっと一生忘れないだろう。
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