えんじゅ:149号
| ||
|---|---|---|
|
![]() DNA研究の先駆者として名 高い中村桂子先生を講師にお招 きし、11月12日に進路講演 会を行いました。中3から高2 までの生徒および200名の保護 者を前に、知識のない私たちに ゲノムの内容、それが持つ意味 について分かりやすい解説があ りました。 講演の冒頭には先生ご自身の 生き方を左右した出来事。それ は、高校の化学の先生との出会 いにより大学は化学の世界へ、 そして発見されたばかりのDN Aらせんの美との出会いにより 大学院は生化学の世界へと進路 選択をされたとのこと。「出会い を大切にしてみては」という言 葉が強く印象に残りました。 ゲノムの話題として、日本に 分布する近緑種のコン虫が取り 上げられました。これらの種は、 その生息域が地図上できれいに 別れます。また、ゲノム解析に より共通の祖先から分岐した年 代が推定できるそうです。この 年代の意味が、ある地質学者の 指摘により、日本に過去起きた 地殻変動の結果によるものと判 明したのです。学問には壁はな く、緊密なつながりを持つこと を思い知らされた出来事であっ たとのこと。生物のゲノムには 生命誌(生物の歴史)が刻まれ ているという新鮮で衝撃的なお 話を聞くことができました。数 年前に「生命誌研究館」を開館 された意味と重要性が、この話 からも理解できます。ヒトゲノ ムの解析で、どんな歴史がそこ に刻まれているかを知るのも遠 いことではないかも。 講演終了後、控え室で多くの 生徒の質問に、丁寧に答えてく ださった先生のやさしさがとて も印象的でした。
| ||
![]() ![]() |
||
| えんじゅ表紙へ | ||
![]() |
||