えんじゅ:167号
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アメリカ史研究の第一人者と して名高い猿谷先生を講師に お招きし、11月25日に進 路講演会を行いました。参加は 高1・高2生と200名の保護者 で、先生は、ご自身の体験に基 づきお話をして下さいました。 また、今回の講演会は朝日新聞 社主催の「高校生のための朝日 文化セミナー」を利用して行っ たものです。 先生のご専門は言うまでもな く「アメリカ史」の研究ですが、 講演の前半でその道に進むきっ かけをつくった出来事となる戦 争、アメリカ兵との接点につい てのお話がありました。当時は 今とはずいぶん違い、大学に入 るより中学、旧制高校への入学 試験の方が大変だったようです。 中高時代は戦禍が広がる一方で、 先生も徴兵され航空隊に属し訓 練の日々だったとのこと。当然、 アメリカは敵対国で、アメリカ 兵は人以下の存在だと教えられ ていたようです。そんなアメリ カ兵との最初の接点は、戦闘機 を操縦するアメリカ兵の顔を、 地上から見たことだそうです。 その顔はごく普通のものであっ たので、敵ではあるが、彼らの ことを強く知りたいという思い が芽生えたとのこと。この思い が強く、「アメリカ史」研究へと 進んだ訳で、「本当にやりたいと 強く思ったことをやるのがよい。 これが私からの進路決定のアド バイス」ということでした。 戦後、進学した大学で「アメ リカ史」の研究を志したものの、 教えてくれる先生や先輩は誰も いなく、大学の資料を調べる毎 日だったようです。でも、「好き こそものの上手なれ」とはよく 言ったもので、助言者はいなく ても頑張ることができたようで す。もちろん、それだけの資料 が揃っていた大学に在籍してい た点も見逃せないこととして付 記しておきます。 講演終了後も、控え室でゼミ の教え子である保護者の方とお 話をされたり、お帰りになる途 中の廊下でも、生徒の質問に丁 寧に応対されていました。この 姿に先生の心優しいお人柄が伺 え、講演がより印象深いものに なりました。 図書館に、『ハワイ王朝最後の 女王』、『ニューヨーク』、この2 冊の本を寄贈して下さいました。 興味のある生徒は是非読んでみ てください。
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平成16年(2004) 1月 9日改訂