えんじゅ:174号

校長先生講話


「自調自考」を考える

(そのCLXVI)


幕張高等学校・附属中学校校長

田 村 哲 夫


「槐祭」も終了し.校内は一転して、あの熱気と集中を収め、 、二学期学校生活の静けさにつつまれている。

「文化彩〜渋幕的色どり〜」が テーマの今年の「槐祭」は例年以上の盛り上がりをみせ、 二日間で、一万人を超える見学者が来られた。 地域社会でもすっかり定着したような名物行事ともなって来ている。

二十一世紀は「多様性の世紀=Deversity」であると言われている。 そこに生きなければならない若者達にとって、まことに文化祭に ふさわしいテーマであった。

残暑の厳しい時期ではあったが、それを吹き飛ばすエネルギー に満ち溢れた「槐祭」であった。

ただ、今回残念であり、又お詫びしなければならないことは、開校以来はじめての「食中毒」 が業者の方の販売した焼きそばで起きてしまったことである。 幸い症状は軽く、入院者が出るほどではなかったが、 ご心配をおかけし、又、ご迷惑をかけてしまったことを、 学校として心からお詫び申し上げ、今後二度とこのよう なことのないよう十分配慮し、一層努力したいと考えている。

食べ物の扱いについては、生徒が関係する場合は、保健所に指 導をうけ、又茶道部の茶室でのお菓子も絶対素手で扱わないこ とを徹底する等十分配慮してきたつもりであったが、業者の持ち 込み食品の中毒=セレウス菌=は誠に申し訳なく残念なことであった。

さて、話は戻るが地球上の多様な民族がそれぞれ固有の生活様式や 美意識のなかから生み出してきた多様な文化=科学技術など人類一般の 普遍的進歩の成果を意味する文明との境界線はあいまいであるが=が、 混在し、互いに、平和裡に共生、共存することを目指す人類社会に生きる 若者達にとってふさわしいテーマであり今年の槐祭であった。

渋谷幕張中高校生徒会文化祭実行委員の企画、パンフレットは高一の本田君のデザイン。 多様、多数のクラブ活動の発表=・理そして芸術系=特色あるクラス企画も素晴らしいもので あった。

「クラスが一丸となって、準備、活動し全員参加でやりとげた成就感。私の高校時代の体験を思 い出させてくれた」「この体験は一生の宝となる云々」

これ等の文章は、槐祭を見学された方々からの私宛のメール文の一部である。

クラス企画の「ウォーターボーイズ」、「室内楽演奏」等によせられた感想であるが、 これは全ての企画に共通したものであった。感動させられた今年の槐祭であった。

文化や文化活動は、経済的、政治的、宗教的条件と不可分のもので、国連はここに目をつけ、 ユネスコを組織し国際的な教育、科学、文化の協力と交流を通しての国際平和の実現と人類の 福祉の促進を計っている。

槐祭の豊かな内容と多様さはその背景にある学園文化の豊かさ=私達はこれを学園の「ミー ム」(文化遺伝子)と呼ぶ=を示している。そしてこれを未来社会の重要な鍵として大切に育ててい きたいと考えている。

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平成16年(2004)10月18日改訂