えんじゅ:191号


どう歩むのか 今日からの道

副校長 星合
        



 ご入学おめでとうございます。

 「入学」という字を見る度今でも懐かしくよみがえって来る事 があります。それは本校の歴史に残る第一回生に向かって田村校長が力強く入学式で話された「三つの柱」 の話です。第一に「自調自考」自ら調べ自ら考える、これは学問に対する姿勢の最も大切な基本です。自由 な心、謙虚に学ぶ態度が大切であり傲慢な心、怠惰な心に打ち克つ「克己心」が大切です。第二に「高い倫 理観」悪いことは絶対にしない、良い事は積極的にするという自分の心を育てて下さい。第三に「東西文化 の交流と調和」君達が卒業して社会で活躍する時、時代は二十一世紀になっています。世界的視野を学校生 活の中で、しっかり身につけて下さい!・・・と。あの日から今年は二十四年目になります。

 さて、皆さん、これから流れる歳月は君達の人生に於いて一番大切な芽生えの時です。豊かな教養の芽、 温かい心情の芽、逞しい体力の芽、君達の根底にある人生観の芽、それらの芽を大きく強く立派に成長させ る為に今日からの道は、この学園のあらゆる所に漂っていただいて様々な栄養分と活力を吸収させながら芽 吹く努力を続けて下さい。当たり前な事を、ごく自然に続けることが特別な事に、つながると良く言われま すが、当たり前のことを続ける事は実は一番難しいことなのです。長く辛かった受験というトンネルから抜 け出て、ちょうど春の芽吹きのように明るみに顔を出した君達、その君達が本校を選んだから君達の人生の 価値が決まるわけではありません!大切な事は、これからの道を「どう歩くか」、「どう歩いたか」だと思 います。自分の能力に対して謙虚になって計画通り忍耐強く一分一秒を充実させることです。

 さて君達はどう歩むのでしょうか。
 今日からの道を!
 期待しながら見ております。



自分は何ものなのだろうか   

高校第一学年主任 添田



 自分のことを振り返ると、高校生のときほど自分は何ものだろうかと考えた時代はなかった。その答えを 求め、暗がりの中、いつも手探りで歩いていたような気がする。

 社会が複雑になり、ストレスの多い今、闇はもっと深く、自分を見つけ出すのは容易ではない。しかし、 あえて、今回入学した高一生諸君に、自分は何もないのか、考えて欲しいと思っている。どうやって答えを 出すかは人それぞれだが、腕組みをし、難しい顔をして学校生活を送って欲しいということではない。これ から出会うすべての人たち、新しい知識、物、出来事に積極的に触れ、関わる中で、それが自分にとってど ういう意味があるのか、どれだけ大切なことかを考えて欲しい。そうすることで、新しい自分、更に、こう ありたいと考える自分に出会えるのではないだろうか。答えは性急に求めることはない。ただ、求めようと する意識は常に持っていて欲しいと思う。  

 

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平成18年(2006)5月8日改訂