えんじゅ:195号


高二 中国修学旅行


北京・西安・上海

 

 本校における最後の校外研修 旅行、高校二年生(23期生) の 中国研修が今年も無事に実施さ れました。E・F・G・H・T 組(1団)とA・B・C・D組 (2団) との、二つのグループ に分かれ、十月五日〜十日(1 団)、六日〜十一日(2団) の 日程で、長い歴史の悠久と近代 化の激流という二つの顔を持つ 大陸を巡遊してきました。北 京・西安・上海という、中国が 持つ多様な面差しに触れられる 三都市を、五泊六日で大移動す るという密度の濃い旅。前年よ り引き続く、反日運動や鳥イン フルエンザといった懸念事項に 加え、今回は、北朝鮮の核実験 報道、安倍晋三新首相の訪中と いった政治トピックが滞在中に あり、教員、生徒共に、不測の 事態に対する不安を感じること も。

 2団は、初日、悪天候によっ て成田空港に十時間も足止めさ れるという、不幸なスタートと なりました。そのうえ、北京で は深い霧の中で万里の長城を歩 くことに。また、どちらの団も、 慣れない気候や本格的中華料理 に悪戦苦闘し、疲れが見えるこ ともありました。しかし、初め て体感するめくるめく歴史のス ペクタクルに、次第に心奪われ ていきました。その過程を紹介 します。

 1日日・2日目。  北京。故宮博物館を歩き万里 の長城を登って、古の「帝国」 のスケールに圧倒され、往時を 偲びました。また、十月一日か らの一週間は中国の建国記念 「国慶節」 にあたり、地方から 北京を訪れた人々が、天安門広 場に集っていました。その、 茫々たる人の海を見て、圧倒さ れる生徒も少なくありませんで した。夜は、京劇鑑賞。演目は 「三盆ロ」(1団)、「覇王別姫」 (2団)。日本の古典芸能とは異 なる軽業に、拍手喝釆となりま した。

 3日目・4日目。西安。  秦の始皇帝の墓・兵馬俑、楊 貴妃の遊んだ温泉地・華清池、 三蔵法師に由来する大雁塔と いった、古代帝都の残影を辿り ました。とくに兵馬俑では、人 の営みの壮大さと巧みさに、生 徒たちもさまざまなことを感じ たようです。また、まだ開発が 進んでいない西部地域に当たる 西安では、裏通りの物売りや農 村の陋屋といった、貧富の格差 を感じざるをえない面があり、 近代化の光と影を黙考する生徒 も見受けられました。

 5日目・6日目。上海。  近代化の尖鋭都市、上海では 時速四三一`を記録するリニア モーターカーに揺られて、空港 から市内に入り、魯迅記念館や 豫園など各種のコースを回りま した。外灘と呼ばれる旧租界地 時代の西洋風建築物が美しく照 らされて夜の町に浮かぶ一方、 モダンな高層ビルが無数に立ち 並ぶ上海の夜景は、中国の過去 と未来を生徒たちに体感させる には十分だったようです。また、 ここ数年の日中間のありようを 象徴するトピックがあった都市 だけに、そういった視点から街 中を見る生徒も見受けられまし た。夜は上海雑技団の鑑賞。命 がけの絶技に、心を奪われまし た。

 最終日、帰路につく機中での 生徒たちの寝顔。旅の中で得た 感動や知識、そして疑問など が、何かを成し遂げた心地よい 疲労感となって現れていたよう でした。
 以下、生徒の筆にて三都市へ の感慨を述べてもらいました。

                    


北京
ギャップの都市、北京             



   2F 檜山

 景山公園から見下ろす故宮は 絶景だった。波のように広がる 赤屋根に濃い霧がかかって、 「皇帝」を髣髴させる。社会主 義の象徴たる天安門広場に隣接 しながら、そこの賑わいとは一 変し、厳とした神秘性をかもし 出している。
 北京は「現在」と「過去」が 混同した不思議な街だ。現代人 が営む生活の中心にたたずむ故 宮博物院。雑然たる人々の日常 生活に囲まれながらも往時の華 麗さ、風格を失わない。この ギャップが北京という都市を魅 力的なものにしているのだろう。
 二〇〇八年にはオリンピック も控えている北京。高度経済成 長期を迎えている今、北京の更 なる発展に期待が寄せられる。


西安
「四千年の風」と「憂いの風」が吹く街             



   2C 市川

 研修三日目に訪れた、西安。
 古都長安を思わせる綺麗に区画された高層ビル群の真ん中を、一本の広い大通りがかつてのシルクロードのように真っ直ぐ、 遥かに伸びている。まさに中国四千年の歴史を感じさせる超近代的都市だった。
 夜になると街全体がネオンに輝き、より一層幻想的な美しさを帯びた。しかし道端には、貧苦に喘ぎ、 生きるために必死の思いで"物乞い"をする多くの人々。その幻想的な空間の中には、憂しき「現実」も確かに存在していた。
 急激な経済成長を遂げる国家と、それに取り残された国民。西安の街は、今の中国最大の課題を、静かに訴えていた。


上海
過去と今が交錯する街




 2H 釘宮

 浦東の高層ビル群やリニアモーターカー等、上海の街は近代化され、首都北京をも圧倒するほど発展していた。しかしその反面、 歴史遺産がひしめくノスタルジックな風情を漂わせる街でもあった。
 上海博物館では緻密な模様の古代青銅器や色鮮やかな陶磁器が古の昔へと私を誘う。明清時代の面影を残す豫園には、 完成まで十八年の歳月をかけたとあって三穂堂や仰山堂といった名建築が点在し観光者の心を奪う。
 発展目覚しい今日の中国、四千年の古い歴史のある中国、二つの「顔」を持つ街、上海。
 ここは過去・現在・未来が交錯する不思議な雰囲気を肌で感じることができる都市であった。
 

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平成18年(2006)11月25日改訂